2004 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔共同学習における画質,及び時間遅れとコミュニケーションの質との相関関係の解明
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15680019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (80345157)
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Keywords | コミュニケーションの質 / 遠隔共同学習 / エスノメソドロジ |
Research Abstract |
平成16年度は,より現実の状態に近い状況でのコミュニケーションの変化を調べた.具体的にはテレビ会議システムを構築し,画像転送部分に独自に開発したソフトウェアを用いるほか,リアルタイムMPEG2コーデックを用い,エンコード時の画質クオリティーを変化させることで超低遅延状態にて画質劣化がコミュニケーションに及ぼす影響の調査,および画質と時間遅れ双方が発生する場合のコミュニケーションの変化の2点について調べた. 実験装置として,時間遅れと画質とを自在に調整することが可能な装置を組み込んだテレビ会議システムを開発した.時間遅れの発生については,昨年度購入したタイムラグアジャスターを用いているが,画質を変化させるための装置は,PCに画像キャプチャボードを取り付けソフトウェアで画質を変化させることで実現している.また,テレビ会議用として市販されているMPEG2コーデックも実験装置として利用している. 評価の方法としては,アンケートのほかにエスノメソドロジと呼ばれている社会学的手法(相互行為の観察評価)を用いた. 詳細なデータについては解析中であるが,時間遅れについては概ね200ミリ秒を超える時点において,言葉の繰り返しや指示のやり直しなど,作業の効率が低下するような行為が見られた.ただし,関連研究などから,これらの発生条件はカメラやディスプレイなどの配置にも影響されることが指摘されているため,これらの条件も合わせて今後調査を進める必要がある.
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Research Products
(5 results)