2003 Fiscal Year Annual Research Report
モンスーンアジア域での複数の衛星データを用いた大気―陸面相互作用動態解析
Project/Area Number |
15680021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋口 篤志 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助手 (90324384)
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Keywords | 大気-陸面相互作用 / 衛星リモートセンシング / モンスーンアジア / 地上検証 / 水・熱循環 / 炭素循環 / GAME |
Research Abstract |
本研究課題は,これまで培ってきたGAMEデータおよび日本で展開されている観測データを複数の衛星データセットと共に解析を進めることで,多様な地表面状態を有すモンスーンアジア域での大気-陸面相互作用理解の深化を目指す.そのため,以下に示す様々な時空間スケールでの解析作業を行う.1.観測スケールでの衛星代替データによる,陸面過程(特に植物季節)に関する理解,およびsub-gridスケール(1km以下)での大気-陸面相互作用の動態理解.2.衛星データでの統一的な解析手法による,モンスーンアジア地域の陸面特性の把握(領域全体を俯瞰するスケールでの衛星解析).3.モンスーンアジア域の降水特性の深い理解,現状把握(2.と同様).4.地表面過程の理解によって改良された炭素循環過程(NPP)モデリング,5.衛星データを同化(降水・陸面過程)した際の炭素循環過程へのインパクト計算.5.が最終目標である.モデル解析でも複数の降水データセットを用い5.を実施することは可能であるが,1.-4.の解析を行うことにより,空間分布特性・物理・生態過程に関し,より深い理解を持って改良を施すことができると考えている. 本年度の進捗状況としては以下の点が挙げられる.a.次世代高波長分解能衛星データの有効利用に関わる分光放射計の設置.b.衛星データ(Freeで取得できるデータを中心とした)の取得・データベース化.c. TRMMデータを用いた降水過程,特にモンスーンアジア陸域の解析.d.モンスーンアジア全域での地表面動態解析. a.は,地上設置型の分光放射計を本科学研究費で購入し,筑波大学陸域環境研究センター実験圃場に設置した.b.は本科研費でデータサーバを導入し,MODIS, SPOT-VEGETATION, PAL等の衛星データセットを収集し,データベース化した.c.はデータ精査から,降水過程に関する知見が増えつつある.d.は現在予備的な解析結果をまとめ,投稿中である.
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