2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子低次元超格子を用いたナノ電子・磁気デバイスの創製
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15681009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
寺西 利治 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50262598)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 超格子 / ナノ電子デバイス / トンネル抵抗 / ナノ磁気デバイス / 超高密度垂直磁気記録 / 異方性相分離構造 / 強磁性スピン偏極 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子を組織化すると、量子サイズ効果を利用した低消費電力・低発熱のナノ電子デバイスを構築することができる。さらに、金属ナノ粒子の二次元組織化技術は、Tbits/inch^2級の超高密度磁気記録媒体の創製にも極めて有用である。本年度は、有機配位子間の弱い相互作用を利用することにより、気水界面、液液界面にて微細Auナノ粒子超格子の大面積化を行うとともに、単一粒子STS測定による有機配位子層厚とトンネル抵抗の相間について検討した。また、高い一軸結晶自記異方性および保磁力を有するFePtナノ粒子の溶媒フリー合成法の開発、異方性相分離CoPdナノどんぐりの合成、および、Auナノ粒子の磁性測定を行った。 Auナノ粒子超格子の大面積化に関し、2,6-bis(1'-(n-thioalkyl)benzimidazol-2-yl)pyridine (n=8,10,12)保護1.5nm Auナノ粒子を気水界面で熱処理することにより、数cm^2にわたる六方晶二次元超格子を得ることができた。また、酸性配位子あるいは塩基性配位子で保護した2.4nm Auナノ粒子溶液を接触させたところ、液液界面にて酸-塩基相互作用に誘起されたAuナノ粒子三次元超格子を大面積で得ることに成功した。単一Auナノ粒子STS測定より、配位子層のメチレン基2個の増加がトンネル抵抗を1桁増大させることが分かった。 次に、磁性ナノ粒子であるFePtナノ粒子の合成を、無溶媒条件下、オレイン酸、オレイルアミン存在下、鉄および白金アセチルアセトナートのポリオール還元により行った。その結果、磁気デバイスの実用サイズである6nmの単分散FePtナノ粒子が得られた。これらFePtナノ粒子は自己組織化により、アモルファス炭素基板上で正方晶超格子を形成した。また、一連の3d遷移金属-貴金属二元金属ナノ粒子の合成において、二相が異方的に相分離したCo_9S_8/PdS_xナノ粒子(CoPdナノどんぐり)の合成に成功した。さらに、種々の粒径を有する高分子保護Auナノ粒子の磁気特性をXMCDにて測定した結果、1.9nm Auナノ粒子が極低温で強磁性スピン偏極を示すことが分かった。
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Research Products
(8 results)