2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子低次元超格子を用いたナノ電子・磁気デバイスの創製
Project/Area Number |
15681009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
寺西 利治 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50262598)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 超格子 / ナノ電子デバイス / 単電子トンネル / ナノ磁気デバイス / 超高密度磁気記録媒体 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子を組織化すると、量子サイズ効果を利用した低消費電力・低発熱のナノ電子デバイスを構築することができる。さらに、金属ナノ粒子の二次元組織化技術は、Tbits/inch^2級の超高密度磁気記録媒体の創製にも極めて有用である。本年度は、デバイス構成単位となるAuクラスターの選択的大量合成、単一微細Auナノ粒子のSTS測定によるトンネル抵抗の評価、nc-AFMによるAuナノ粒子上の単一電子の観察、Auナノ粒子二次元超格子の粒子間距離低減に向けたポルフィリン誘導体保護Auナノ粒子の合成・キャラクタリゼーションについて検討した。また、高い一軸結晶自記異方性および保磁力を有するFePtナノ粒子の溶媒フリー合成法の開発を行った。 ナノデバイスの新規構成単位と期待されるAuクラスターの選択的大量合成では、ホスフィン保護AU_<11>クラスターとチオールとの配位子交換反応により、Au_<25>クラスターの選択的大量合成に成功した。Auナノ粒子の電子物性として、粒径2nm程度のアルカンチオール保護Auナノ粒子のSTS測定により、アルカンチオール層のトンネル抵抗がヘキサンチオールからオクタンチオールへの変化で1桁増加することを明らかにした。また、nc-AFMによる力測定により、Auナノ粒子上の単一電子観察に成功した。Auナノ粒子の保護配位子として、ポルフィリン誘導体であるmeso-5,10,15,20-tetrakis(2-thioacethylphenyl)porphyrinおよびmeso-5,10,15,20-tetrakis(2-thioacethylmethylphenyl)porphyrinを設計・合成し、Auナノ粒子の合成を行った。UV-visスペクトルから、ポルフィリン環がナノ粒子表面に対して平行に位置しており、ポルフィリン環とAuナノ粒子表面間の距離がポルフィリン環の電子状態や構造に影響していることが分かった。 次に、磁性ナノ粒子であるFePtナノ粒子の合成を、無溶媒条件下、オレイン酸、オレイルアミン存在下、鉄および白金アセチルアセトナートのポリオール還元により行った。その結果、磁気デバイスの実用サイズである6nmの単分散FePtナノ粒子が得られ、その二次元超格子は高い熱安定性を示した。
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Research Products
(18 results)