2005 Fiscal Year Annual Research Report
高品質電子線ビームを用いて生成したラムダハイパー核の崩壊過程の研究
Project/Area Number |
15684005
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 哲 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50280722)
|
Keywords | ストレンジネス / ラムダ粒子 / ハイパー核 / 電磁相互作用 / 電子線ビーム |
Research Abstract |
平成15,16年度に引き続き米国ジェファーソン研究所(JLab)において高品質電子線ビームを用いたラムダハイパー核精密分光実験の準備、最終調整、弱崩壊生成粒子観測用検出器のテスト、準備を行った。 平成17年1月からは、東北大学を中心とした日本グループが製作した高分解能K中間子スペクトロメータ(HKS)をJLab Hall C実験室にインストールした。この際、HKSの移動が可能であるようにヒルマンローラーを用いた移動架台を設計、製作しこの上に全システムを設置した。 各検出器の最終調整の後、平成17年6月よりビームを用いた全システムの調整、7月よりHKSを用いた最初のラムダハイパー核精密分光実験(E01-011)のデータ収集を開始した。 その後、ハイパー核の弱崩壊生成物を測定するE02-017実験を遂行した。E01-011実験では、CH_2標的を用いたΛ、Σ粒子の電磁生成を行い、スペクトロメータの校正を行った。その後、炭素、シリコン、ボロン、リチウム、バナジウム、イットリウム等の標的を用いてΛハイパー核分光、および将来の実験のためのバックグラウンド測定を行った。 一方、E02-017実験においてはビスマス標的をフィッションチェンバーと呼ばれる低圧ガスチェンバー内に設置し、崩壊生成物の測定を行った。 どちらの実験でも、K中間子をHKS検出器で測定することによりストレンジネスが生成されたことをタグした上で測定を行うという点では共通である。 また、ファイバーシンチレータ、ルサイトファイバーをマルチアノード光電子増倍管と組み合わせたΛハイパー核からの崩壊生成π、陽子検出器のプロトタイプを製造し、E01-011,E02-017実験の最中に標的近くに設置しデータを収集した。 JLabの実験終了後は、このファイバー検出器は日本に持ち帰り、東北大学原子核理学研究施設においてさらなるテスト実験を行い性能評価を行った。
|
Research Products
(6 results)