2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能レーザ光電子分光装置の開発と金属ナノ構造体励起量子化電子状態の研究
Project/Area Number |
15684006
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 章順 神戸大学, 工学部, 助教授 (40250667)
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Keywords | レーザ光電子分光 / 時間分解2光子光電子分光 / 金属ナノ構造体 / 励起ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究では、まず第1にフェムト秒超短パルスレーザを励起光源とした高(エネルギー、時間、角度)分解能時間分解・角度分解2光子光電子分光装置を開発することを目的とする。そして分子線エピタキシー(MBE)法により作製した金属人工格子の最小構成単位である遷移金属基板上の貴金属ナノ薄膜についての角度分解2光子光電子分光測定より、フェルミレベル直上に発現する非占有量子化電子構造の詳細について明らかにし、これらの非占有量子化電子準位を中間励起状態にした時間分解・角度分解2光子光電子分光により、量子状態(エネルギーE、運動量k)分解した金属ナノ薄膜構造における励起電子ダイナミクスを明らかにすることを第2の目的とする。本年度は昨年度構築したモードロックチタンサファイア超短パルスレーザシステムに、前年度詳細に検討を行ったピエゾアクチュエータを用いたマッハチェンダー干渉計をベースとしたポンプ・プローブ分光用光学系および群速度分散補償用光学系の構築と調整を行い、ほぼ励起用超短パルス光源光学系の立ち上げは終了した。平行して既存の角度分解光電子分光装置の改良、調整を施すことにより、角度分解2光子光電子分光測定が可能となった。また通常の実験室光源を用いた角度分解光電子分光により、MBE法により系統的に作製した遷移金属基板上のAgナノ薄膜に発現する占有量子化電子構造、とりわけ基板3d電子状態と量子化電子状態との相互作用(混成効果)の詳細について明らかにした。これらの実験結果は次年度に電子ダイナミクスを観察する上でリファレンスとなる。
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Research Products
(7 results)