2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15685008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芥川 智行 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60271631)
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Keywords | 分子性導体 / 両親媒性 / Langmuir-Blodgett膜 / 電荷移動錯体 / 有機半導体 / 超薄膜 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究では、両親媒性分子の作る分子集合状態に着目して、そのサイズ・形状・電子機能の設計を、分子性導体・超分子化学・界面化学のアプローチから研究を行った。本研究の目的は、1)分子集合体のサイズ・形状の制御、2)ナノ分子集合体の電子状態制御の2点である。 16年度は、申請者らが独自に開発したエチレンジチオ置換型の両親媒性マクロサイクリックbis-TTF誘導体(1)が形成する電荷移動錯体を用いた研究を中心に行った。両親媒性電子ドナー1に2等量のヨウ素分子を溶解させた電荷移動錯体溶液にスピンコート法を適用することで、簡便にサイズ制御が可能なナノドット構造を基板上に固定化する手法を開発した。その際、基板を固定したスピナーの回転数を500から6000rpmの範囲で制御することで、ナノドット構造の直径を200から1000nmの範囲で任意に制御する事が可能であった。分子集合体ナノ構造の電気物性を評価するために15年度に新規に導入した導電性原子間力顕微鏡を用いた単一ナノドット構造の電流-電圧特性の測定を行った。直径約50nmの単一のナノドット構造をグラファイト基板上に固定化し、電流-電圧特性の測定からコンダクタンス値を測定した。その結果、キャリアドープを行ったナノドット構造は、コンダクタンス値が大気圧下で86nS、真空下で20nSと決定された。また、キャリアドープを行っていない中性のドナー1が形成するファイバー状の分子集合体ナノ構造のコンダクタンス値は、0.02nSと決定された。以上の結果より、分子性導体を出発点とするナノ構造が潜在的に高い電気伝導性を有していることが明らかとなった。また、17年度以降に実施予定の、分子集合体ナノ構造と基板表面のぬれ性との相関を解明するために、接触角表面分析計を新規に導入した。
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Research Products
(6 results)