2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15685011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大友 明 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10344722)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 電界効果トランジスタ / 電子デバイス・機器 / 結晶工学 / 光物性 / 発光ダイオード / 透明エレクトロニクス / ワイドギャップ半導体 |
Research Abstract |
本研究の目標は、p型酸化亜鉛の形成技術の確立と紫外発光素子の開発である。第一の目標を電界効果ドーピングによって実現するというのが研究計画の一番大きな特徴であった。しかし、むしろさらに困難であると考えていた不純物ドーピングによって再現性の高いp型酸化亜鉛の作製技術を確立することに成功した(1)。これに続いて、第二の目標である発光素子の開発にも成功した(2)。さらに世界最高移動度(70cm^2/Vs)の酸化亜鉛電界効果トランジスタの開発も行った(3)。結果的には、当初の計画とは異なる方法で予想以上の成果が得られた。それぞれの研究内容の詳細を以下にまとめる。 (1)反復温度変調法の開発によって、窒素ドーピングによるp型化に成功した。パルスレーザ堆積法と半導体レーザ加熱を用いて低温高濃度ドープ層と高温低濃度ドープ層を繰り返し成長する方法で非平衡欠陥を低減しキャリアの補償を抑制することができた。平成15年度に確立した原子層平坦バッファー層技術との併用で高い再現性が得ることに成功した(Nature Materialsに報告)。 (2)酸化亜鉛p-i-n接合を作製し、ホモ接合としては世界初の成功例となる電流注入による青色発光を室温で観測した。 (3)格子整合基板上に成長した酸化亜鉛単結晶薄膜がチャネル層、基板そのものが下部ゲート構造として働くトランジスタを作製し、ヘテロ界面が高移動度チャネルとして機能することを確かめた(Advanced Materialsに報告)。 電界効果ドーピングによって単極性材料の価電子制御を可能にする汎用性のある技術は極めて重要と捉えており、本研究で得られた知見をもとに取り組む予定である。
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Research Products
(11 results)