2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規な機能性ノンストイキオメトリックナイトライドの創製
Project/Area Number |
15685012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 琢也 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60296754)
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Keywords | 溶融塩電気化学プロセス / 窒化物 / 非平衡プロセス / ノンストイキオメトリック / LiCl-KCl / 窒化物イオン |
Research Abstract |
平成15年度は、「電気化学インプランテーションによるノンストイキオメトリック窒化の形成」のモデルケースとして、窒化アルミニウムに関して、形成条件と得られる窒化物の構造的特性・電子状態との相関を明らかにすることを第一の目的とした研究を行った。まず、窒化物形成を行うための予備的検討として、窒化物形成反応の探査のための基礎的な電気化学測定を、サイクリックボルタンメトリー、クロノポテンシヨメトリーを用いて行い、得られた結果から形成電位を予測した。次に、得られた予測を基に決定した種々の電位・電流密度でインプランテーションを行い、実際に窒化アルミニウムを形成させた。ここで得られた試料をX線回折、SEM、などを用いて多角的に分析したところ、1.2Vで電解した試料は、AlNで覆われていることが分かった。また、2.0Vで電解を行った場合には、粉末のAlNが形成することが分かった。次に、紫外領域波長のレーザーで、フォトルミメスセンス測定を行ったところ、得られた窒化物の粒界に欠陥が存在することが分かった。これらの検討を通して、窒化アルミニウムの形成条件と窒化物組成と発現する機能の相関を明らかにすることが出来た。更に窒化アルミニウム形成の際に得られた結果を元に、種々の窒化物を電気化学プロセスにより形成させ、その物性評価を行った。本年度は特にステンレス窒化物を本手法により形成させた。その結果、得られる窒化物相中の窒素濃度は、電解電位が貴になるほど、大きくなることが分かった。この際、その硬度について、マイクロビッカース硬度計を用いた計測を行ったところ、電解電位を貴にするほど硬度の増加が見られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Goto, T.Iwaki, Y.Ito: "Electrochemical formation of AlN in molten LiCl-KCl-Li_3N systems"J.Electrochem.Soc. 発表予定. (2004)
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[Publications] H.Tsujimura, T.Goto, Y.Ito: "Electrochemical surface nitriding of pure iron by molten salt electrochemical process"J.Alloys Compd.. 発表予定. (2004)
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[Publications] H.Tsujimura, T.Goto, Y.Ito: "Surface nitriding of SUS 304 austenitic stainless steel by molten salt electrochemical process"J.Electrochem.Soc.. 発表予定. (2004)
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[Publications] T.Goto, H.Ishigaki, Y.Ito: "Electrochemical surface nitriding of zirconium in LiCl-KCl-Li_3N systems"Mater.Sci.Eng.A. 発表予定. (2004)
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[Publications] H.Tsujimura, T.Goto, Y.Ito: "Electrochemical nitriding of cobalt by molten salt electrochemical process"J.Electrochem.Soc.. 発表予定. (2004)
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[Publications] T.Goto, Y.Ito: "Electrochemical nitriding of Sn in LiCl-KCl-Li_3N systems"J.Phys.Chem.Solids. 発表予定. (2004)