2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規な機能性ノンストイキオメトリックナイトライドの創製
Project/Area Number |
15685012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 琢也 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60296754)
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Keywords | 窒化物半導体 / 窒化スズ / 窒化亜鉛 / 溶融塩 / 電解酸化 / 窒化物イオン / バンドギャップ |
Research Abstract |
平成16年度は、「溶融塩を電解質に用いたノンストイキオメトリック窒化物薄膜の電解形成」のモデルケースとして、従来薄膜形成が困難であるため物性値にばらつきが大きい、窒化スズおよび窒化亜鉛に関して、形成条件と得られる窒化物の構造的特性・バンドギャップとの相関を明らかにすることを第一の目的とした研究を行った。 まず、溶融塩電解を用いることで、ニッケル基板上に平滑な液体金属スズを電析させることに成功した。これを作用極として、窒化物イオンを含む溶融塩中で、陽分極することで窒化物薄膜生成を行った。得られた表面は、深輝黄色を呈し、X線光電子分光測定による測定から、SnNに帰属できるN1s、およびSn3dスペクトルが観測された。さらに、紫外領域波長を持つレーザーで、フォトルミネスセンス測定を行ったところ、得られた試料は、直接遷移型でバンド幅は、約2.8eVであることが分かった。さらに、得られるスズ窒化物薄膜のバンド幅は、電解温度が高いほど、大きくなることが分かった。また、金属亜鉛を作用極として、窒化亜鉛薄膜についても同様の検討を行ったところ、電解により、Zn_3N_2およびLiZnNを電解電位により作り分けることが可能であることが、XRD分析から分かった。さらに、紫外-可視-近赤外分光によるZn_3N_2の反射スペクトルから、Zn_3N_2は、直接遷移型でバンド幅は、約1.01eVであることが分かった。これらの検討を通して、従来、作成が困難であった窒化物薄膜を電解プロセスにより容易に形成させることが可能であることを見出した。さらに、窒化物薄膜の形成条件と窒化物組成と発現する機能の相関を種々の分光学的手法手により明らかすることが出来た。
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Research Products
(6 results)