2004 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマを用いた高周波水晶デバイス用水晶基板の無歪薄板化プロセスの開発
Project/Area Number |
15686007
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 和也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60240074)
|
Keywords | 大気圧プラズマ / プラズマCVM / 水晶 / 無歪加工 / 高周波 / 薄板化 |
Research Abstract |
本研究は、次世代の電子デバイスであるGHz帯の超高周波水晶振動子の振動特性を改善するために必要不可欠な、水晶振動子の新しい厚み修正加工技術の開発を目的としており、厚さが1μm以下の極薄水晶振動子の厚みムラを1nmの精度で均一化することを目標としている。昨年度までに、修正加工を行うための大気圧プラズマを用いた円筒回転電極型の数値制御プラズマCVM装置を開発し、その基本的な加工特性を取得した。本年度は厚さが80μmのATカット水晶素板の厚み修正加工に本装置を適用し、以下の知見を得た。 (1)矩形の水晶素板に対して円筒型の回転電極を用いて1軸の数値制御加工を2方向に対して行うことにより、高能率に厚みムラの粗修正加工を行う工程を提案した。 (2)提案した粗修正加工において、修正加工前に108.3nm p-vであった厚みムラを39.5nm p-vに修正することができた。(評価領域9.2mm×14.4mm)また、このときに要した加工時間は215秒であった。 (3)水晶素板厚さを均一化することにより、修正前には顕著に現れていた共振特性における副振動が無くなり、メインピークのみの良好な共振特性を得ることに成功した。 (4)ナノメータオーダの厚み修正を実現するために、空間分解能の高いパイプ型のプラズマ発生電極を考案し、基本的な加工特性を得た。本電極はアルミ合金製の電極をアルミナ製のキャップで被覆することによって電極の表面を化学的に安定化しており、±5%の加工量の再現性を得ている。 次年度(最終年度)は本パイプ電極を用いてナノメータオーダの厚み精度を有する水晶素板を実現するとともに、それを用いて作製した超高周波水晶振動子のデバイス特性を評価する。
|
Research Products
(2 results)