2005 Fiscal Year Annual Research Report
Niドーパント分布場の積極的導入によるアモルファスシリコンの大粒径結晶化
Project/Area Number |
15686032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50312997)
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Keywords | アモルファスシリコン / ニッケル誘起結晶化 / 多結晶シリコン薄膜 / シリコン結晶粒の大粒径比 / 核発生制御 / 結晶成長制御 / コンビナトリアル手法 / 単層カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
本研究ではアモルファスシリコン(a-Si)上にNiの放射状の分布をつけアニールすることで、Ni誘起結晶化を制御し、中心からの核発生と扇形の結晶成長により、大粒径の多結晶膜を得ることを目指す。昨年度までに申請者が開発したコンビナトリアル手法によりNi量の最適化を進め、膜厚50nmのa-Siに対しNiが膜厚換算数pmで結晶化が促進されることを確認した。 本年度は、アニール条件の最適化を進めた。既往の研究では、アニールの温度・時間・昇温速度に加え、プレアニールについてもこれらのパラメータが探索され、グループ毎に「レシピ」が作られてきた。しかしa-Siの成膜条件が変わると「レシピ」は使えず、かつこれらの6パラメータの最適化は非常に困難である。そこで、論理的考察により我々は実験パラメータを昇温速度1つに絞り込んだ。即ち、目的温度までの昇温速度を変えることで、これらのパラメータを一度に振れる。また、一度形成した結晶核は、800℃程度までは合一せずに残る為、結晶化初期の構造も保存される。この方法で、0.2℃/minで700℃まで昇温した際、Ni量が10pmから減少する分布場で粒径30μmの結晶粒の形成を確認した。更に、680℃でアニールを止めたサンプルでは、扇形の結晶粒も確認され、目標とした機構による大粒径化を示唆するもので、現在、検証を続けている。 なお、本研究で利用したコンビナトリアル手法は、別材料でも大きな成果を挙げた。即ち、代表的なナノ材料である単層カーボンナノチューブでは、ナノ粒子触媒の開発が合成法の鍵となるが、本手法により1回の実験での触媒担持条件の最適化を可能とした。
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Research Products
(2 results)