2004 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡ガス反応における特異化学ポテンシャル場形成と反応制御
Project/Area Number |
15686033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八代 圭司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20323107)
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Keywords | 化学ポテンシャル / 酸素不定比性 / 偏光変調高感度反射赤外分光法 / 酸化物触媒 / NOx |
Research Abstract |
本研究は、非平衡ガス反応の際に形成される特異化学ポテンシャル場を利用して、固体表面で起こる触媒反応を制御することを目的としている。特異化学ポテンシャル場の形成についてはペロブスカイト型酸化物(La,Sr)CoO_3において、バルク試料における酸素不定比量が微量のNO_2の存在により大きく変化することを確認している。触媒などの反応場としてこの特性を利用する場合には、試料を薄膜などより実用的な形状に加工する必要がある。そこで薄膜化した際のポテンシャル場の形成への影響および、偏光変調高感度反射赤外分光法による高温反応場における吸着種のその場観察について検討を行った。 PLD法により(La,Sr)CoO_3緻密薄膜電極を固体電解質上に作製した電気化学セルを用い、NOxを導入した際の起電力変化から薄膜上でも特異化学ポテンシャル場が形成されていることを既に見出していたが、さらに、薄膜上でのポテンシャル場形成を詳細に検討するために種々の酸素分圧、温度でのキャパシタンスの変化を調べた。この結果、薄膜とバルクではポテンシャル場形成の挙動が異なることが示唆された。NOxによる特異化学ポテンシャル変化の絶対量も薄膜とバルク試料で異なることから、試料形状による特異化学ポテンシャル場への影響についても今後検討をしたい。 偏光変調高感度反射法により、高温でのPt/YSZ系での吸着酸素の状態の電極電位、すなわち電極上の酸素ポテンシャルに対する依存性をみたところ、カソード分極下で、吸着酸素のピークが分極した電圧に応じて減少することから、電極上の酸素が反応により取り込まれていることを直接観察できることが分かった。また、ガスセンサーなどで被毒作用があるといわれているシリコーン系の物質が、電極上に吸着すると、反応が阻害されることも確認され、今後、同測定法で特異化学ポテンシャル状態の観測を行い吸着種の状態を行う予定である。
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Research Products
(8 results)