2004 Fiscal Year Annual Research Report
光電界センサアレー型ボアホールレーダによる3次元イメージングのフィールド実証実験
Project/Area Number |
15686037
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
海老原 聡 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (20301046)
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Keywords | ブアホールレーダ / 3次元推定 / 地下計測 / アレーアンテナ |
Research Abstract |
今年度の交付申請書では、以下の項目3点を研究内容と予定した。これらに対する研究実績を列挙する。なお、フィールド実験は全て本学構内に造成した坑井を用いている。 1.低周波数を用いたボアホールレーダ 本レーダの探査距離を伸ばすためには、比較的低い周波数を用いることが有効である可能性がある。このためには、アンテナ長を長くすることでアンテナ共振を発生させ、この共振を利用して利得を上げることが考えられる。今年度は、実際に、アンテナ長を1.5mとして、7素子円形アレー型指向性ボアホールレーダを構成してフィールド実験を行った。その結果、アンテナ長をある程度長くした場合、アンテナ素子間で干渉し共振することがわかった。本研究ではモーメント法による共振周波数の解析プログラムを作成し、計算を行った。この結果、この理論解析は実験結果をよく反映していることがわかった。さらに、この共振が生じる周波数では波の到来方向の推定が困難になることがわかった。将来的には、この理論解析を行うことで適切な円形アレーを設計することができ、効率的な3次元位置計測が行える可能性がある。 2.細径型指向性ボアホールレーダの試作 本年度は、これまでの開発したボアホールレーダの発展型として細径の指向性ボアホールレーダの開発を行った。細径にした場合、円形にアンテナ素子を配列することが困難になる。本研究では、アンテナ素子をらせん配列したアレーアンテナを提案し、フィールド実験用システムを試作した。ゾンデの外径は54mmであり、これはこれまで公に報告されている指向性ボアホールレーダの最小直径約70mmを下回る。本学構内に掘削した内径77mmの細径坑井を用いて指向性に関する実験を行ったところ、測定されたアンテナ素子間の到達時間差は波の到来方向を示していることを確認することができた。 3.「点から像へ」を可能にする物体3次元イメージング法の検討 本年度当初では、各深度で得られるアレーデータを複数深度間で合成することで、3次元物体「像」を推定可能にすることを目標とした。しかし、上記1で示したように、アンテナ長さがアレーアンテナの特性に影響を与えることがわかったため、実験的検討は1を優先させた。このため、共振が生じていない既存データを用いて、アンテナ深度が異なる場合で物体像が推定可能かの検討を行った。その結果、アンテナ深度が異なると推定位置が変化することがわかり、これは物体の形状の情報を反映している可能性があることが判明した。
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Research Products
(4 results)