2005 Fiscal Year Annual Research Report
固体炭素を直接燃料とする携帯型固体酸化物燃料電池の開発
Project/Area Number |
15686040
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊原 学 東京工業大学, 炭素循環エネルギー研究センター, 助教授 (90270884)
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Keywords | 燃料電池 / 固体炭素 / 携帯型 / 固体酸化物 |
Research Abstract |
現在ノートパソコンなどの携帯用電源として用いられているのはリチウムイオン電池などの2次電池であり、これらは充電量の向上および充電時間の短縮が求められている。そこで注目されているのが携帯型燃料電池で、現在主に研究開発が進められているのは電解質に高分子を用いた高分子型燃料電池である。主に燃料としてはメタノールを用いたダイレクトメタノール燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell, DMFC)が研究開発されている。燃料ボンベの容量、連続使用時間に関連する燃料のエネルギー密度を考えると小型化には固体燃料による発電が望ましい。 燃料電池の中でも固体酸化物燃料電池は800℃〜1000℃ほどの高温動作であるので燃料の多様性が期待でき、もっとも有望である。我々は、炭化水素燃料の熱分解によって燃料極中に固体炭素を析出させ、それを燃料にして繰り返し発電する新しいポータブル固体酸化物燃料電池を提案し、開発した。その際に水素が副生するので小型の水素燃料発生器としての利用も可能である。我々はこの燃料電池をリチャージャブル・ダイレクトカーボン燃料電池(Rechargeable Direct Carbon fuel Cell, RDC-FC)と呼ぶことにした。 今年度に達成したRDC-FCの特徴を下記に示す。 (1)5分という短時間の燃料チャージングで、最大83分、44-50mW/cm^2の出力密度で安定した発電が可能で、少なくとも6回の「チャージング-発電」サイクルにおいて安定した発電特性を示した。 (2)最大出力密度は、52mW/cm^2で、燃料ポンプや空気ポンプを使わないDMFCの最大出力密度を超える値であった。 (3)発電時、燃料極側にはいずれのガスも供給する必要がないたに、燃料タンクおよび燃料供給用のポンプが必要なく小型化の点で有利である。 (4)小型の水素発生器としての利用が可能である。
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Research Products
(7 results)