2004 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホイノシチド可視化マウスと遺伝子欠損マウスを用いた細胞遊走制御機構の解析
Project/Area Number |
15687007
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 雄彦 秋田大学, 医学部, 教授 (50333365)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / 細胞走化性 / 免疫 |
Research Abstract |
ホスファチジルイノシトールのイノシトール環3,4,5位水酸基に可逆的なリン酸化を受けた8種類のホスホイノシチド(PIs)は,脂質性シグナル分子として個々に固有の機能を持ち,多様な細胞応答を制御する。我々は,種々の細胞外シグナル分子によって活性化されてPI(3,4,5)P3 (PIP3)を産生するPI3Kや,PIP3を脱リン酸化して分解するPTEN,SHIP1,SHIP2の遺伝子欠損マウスを世界に先駆け作製・解析した。その結果,これらの酵素が個体内においても種々の細胞応答制御に重要であり,その欠損はがんなどの様々な疾病へとつながることを見出した。さらに今年度は、ホスファチジルイノシトール二リン酸の代謝酵素欠損が様々な病態を導くことを見出した。これまでの生化学的手法では不可能であった、初代培養細胞レベル、あるいは個体レベルでのPIs動態解析を現実のものとし、種々の遺伝子欠損により誘発される疾患とPIs代謝の関連を解明することを目的として、遺伝子改変技術を応用したPIs動態解析ツールの作製とその活用方法の確立を本研究では行っている。今年度はそのような解析ツールとして新たに、PI(3,4)P2特異的可視化マウスとPI(3)P特異的可視化マウスの作製とホモ接合体系統の樹立を完了した。また、昨年度に作製を完了したPIP3特異的可視化マウスと、PIP3産生酵素欠損マウスおよびPIP3分解酵素欠損マウスの交配によって、細胞遊走の制御においてPIP3代謝が極めて重要であることを見出した。遊走細胞の先導端へのPIP3の局在化を規定する酵素群を同定し、これらの酵素が欠損した動物個体での、免疫異常に関する知見を得た。このように,医学的にも学術的にも意義を持つ新規の知見を今年度の研究で得ることができた。
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Research Products
(7 results)