2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホイノシチド可視化マウスと遺伝子欠損マウスを用いた細胞遊走制御機構の解析
Project/Area Number |
15687007
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 雄彦 秋田大学, 医学部, 教授 (50333365)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / 遺伝子改変マウス / マクロファージ / 炎症 |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質(ホスホイノシタイド:PIs)は細胞膜の微量構成因子であり、多様な細胞応答の制御分子として機能する。我々は,種々の細胞外シグナル分子によって活性化されてホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)を産生するPI3Kや,PIP3を脱リン酸化して分解するPTEN, SHIP1, SHIP2の遺伝子欠損マウスを作製・解析した。その結果,これらの酵素が個体内においても種々の細胞応答制御に重要であり,その欠損はがんなどの様々な疾病へとつながることを見出した。さらに本研究で、ホスファチジルイノシトール二リン酸の代謝酵素欠損が様々な病態を導くことを見出した。これまでの生化学的手法では不可能であった、初代培養細胞レベル、あるいは個体レベルでのPIs動態解析を現実のものとし、種々の遺伝子欠損により誘発される疾患とPIs代謝の関連を解明することを目的として、遺伝子改変技術を応用したPIs動態解析ツールの作製とその活用方法の確立を本研究で行った。今年度は、PIP3可視化マウスとPIs代謝酵素欠損マウスの交配により、4系統の二重変異マウスを作製した。それらから調製した好中球やマクロファージを用いて、細胞遊走と貪食応答の制御においてPIP3代謝が極めて重要であり、これを調節する二つの分子を同定した。また、遺伝子欠損マウスでの細菌感染実験を行い、リステリア抵抗性を左右する、イノシトールリン脂質代謝酵素を同定した。
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Research Products
(3 results)