2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15687009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
目野 主税 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (20311764)
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Keywords | マウス / 発生 / 前後軸 |
Research Abstract |
胚発生における前後軸形成は、後の複雑な形態形成を行うための位置情報を提供する根本現象である。マウスでは、受精後5.5日目に胚遠位に存在する遠位臓側内胚葉(DVE)が、将来の胚前方に向かって移動することで前方臓側内胚葉(AVE)を形成し、AVEは前方外胚葉の胚後方化シグナルを抑制し頭部を誘導する。この一連の過程には、Nodalシグナルとその制御が中心的な役割を果たしていることが明らかになったが、前後軸形成の全貌の理解にはほど遠いのが現状である。 本年度は、N-エチル-N-ニトロソ尿素(ENU)によるマウス前後軸形成に異常をきたす劣性変異体の作成に着手した。♂C57BL/6Nに、N-エチル-N-ニトロソ尿素を100mg/kg 1週間間隔で3回腹腔投与した。ENU投与した♂C57BL/6N(GO)は、♀C3H/HeJと交配させることで♂G1を得る。♂G1は、再度♀C3H/HeJ(nodal.βgeo)と交配させ♀G2を得る。劣性変異体のスクリーニングは、♂G1と♀G2の交配で得られる胚(G3)の形態異常とnodal発現を調べることで行う。 DVEの移動は、この領域で発現するNodalアンタゴニストであるLefty1及びCerberusによってもたらされ、Nodal発現域はAVEの確立と共にこれらアンタゴニストによって胚の後方にシフトしていく。EMUによる劣性変異体のスクリーニングには、♀G2を得るためにnodal.βgeoマウスを利用する。このマウスはIRES-βgeoをnodal 3'非翻訳領域に挿入したものであり、nodal発現をモニターすることができる。nodal.βgeoマウスは、G2及びG3変異遺伝子のマッピングに直接利用できるように現在C3H/HeJに戻し交配を続けている。
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