2004 Fiscal Year Annual Research Report
軽種馬および北海道和種馬放牧飼養に関する栄養学的・行動学的研究
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15688008
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
河合 正人 国立大学法人帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (30301972)
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Keywords | 軽種馬 / 北海道和種馬 / 放牧 / 採食行動 / 採食量 / 消化率 / 消化管内通過速度 / 粒度分布 |
Research Abstract |
軽種成去勢馬3頭をケンタッキーブルーグラス主体草地に5月9日から10月19日まで終日放牧し、6、8、10月に草高約15cmの同放牧地でそれぞれ採食量、消化率、消化管内平均滞留時間、採食時間を測定した。乾物採食量は6,8,10月でそれぞれ14.5,13.9および12.2kg/日で、体重の2.7,2.4および2.0%であり、10月において6月より少なかった。粗タンパク質消化率はどの月においても75%以上と高かったが、繊維成分の消化率は6月、8月より10月で低かった。可消化エネルギー摂取量の維持要求量に対する割合は6,8,10月でそれぞれ217,220および189%であり、採食量および消化率の低かった10月においても維持要求量の1.9倍程度摂取した。牧草の消化管内平均滞留時間は6,8,10月でそれぞれ18.9,16.3および17.4時間であり、8月において6月より短かった。8月の採食時間は905分であり、6月の722分より短く、10月は816分とその間の値であった。 牧草の草高や草量、消化性が低下した10月に同放牧地に北海道和種馬を終日放牧し、採食量、消化率および採食行動を軽種馬と比較した。和種馬の乾物採食量は体重の1.9%と軽種馬の2.3%より少なかったが、乾物およびエネルギー消化率に有意差はなく、繊雑成分、持にヘミセルロース消化率は和種馬の方が高かった。また、採食行動観察の結果、和種馬は軽種馬よりも放牧地全体を比較的均一に利用する傾向があり、頻繁に長い距離を移動しながら採食場所を変える採食戦略であることも明らかとなった。 軽種馬4頭を用いてケンタッキーブルーグラスサイレージ1番草と、2番草の消化試験を行った結果、乾物採食量はそれぞれ体重の1.6、1.5%と同程度であった。NDF消化率が61.3%と比較的高かった1番草と、22.6%と非常に低かった2番草で、全消化管内滞留時間に有意な差はなかったが、糞の粒度分布から1番草の方がより微細化されて排泄される傾向がみられた。
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