2005 Fiscal Year Annual Research Report
軽種馬および北海道和種馬放牧飼養に関する栄養学的・行動学的研究
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15688008
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
河合 正人 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (30301972)
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Keywords | 軽種馬 / 北海道和種馬 / 放牧 / 採食行動 / 採食量 / 消化率 / 消化管内滞留時間 / 粒度分布 |
Research Abstract |
ケンタッキーブルーグラス主体草地に終日放牧した軽種成去勢馬3頭を用い、採食量、消化率、消化管内滞留時間および糞の粒度分布を測定し、採食行動を調査した。採食量、消化率は春季、夏季に比べて秋季に低下する傾向にあったが、牧草の消化管内平均滞留時間と採食量、繊維成分消化率との間に一定の傾向はみられなかった。糞の粒度分布は、消化管内滞留時間が最も長かった夏季放牧飼養時に大粒度分画の割合が高い傾向にあり、春季、秋季放牧飼養時に大きな差はなかった。よって、単胃草食家畜であるウマにおいても、消化管内容物の粒度が粗飼料の消化管内滞留時間に関係している可能性が示唆された。 イネ科牧草サイレージを自由採食させた軽種馬の糞の粒度分布は、放牧飼養時の場合と大きな差はなかったが、消化管内滞留時間は短い傾向にあった。サイレージと放牧地草で繊維成分消化率に大きな差がなかったことから、ウマの消化管内滞留時間には採食量が関係しており、易分解性繊維分画の分解後比較的早く糞中に排泄される消化戦略を、粗飼料の繊維成分消化性に関わらず示す可能性が示唆された。 軽種馬の採食時間、喫食および咀嚼速度、フィーディングステーション(FS)行動は、牧草の草高と密接に関係していた。すなわち草高が15cm以下の放牧条件では喫食および咀嚼速度が速く、採食時間が長い傾向にあり、また頻繁に採食場所を変えて移動しながら採食を行った。北海道和種馬による採食行動と草高との関係も、軽種馬と同様の傾向にあった。一方、北海道和種馬のFS行動は軽種馬と異なり、比較的高い草高においてもFS滞在時間が短く、FS内での喫食および咀嚼回数が少なく、FS間移動距離が長かった。したがって、北海道和種馬の方が軽種馬より放牧地における選択採食性が高いことが明らかとなった。また、クマイザサ優占林間放牧地における北海道和種馬は、牧草放牧地より高い選択採食性を示すFS行動特性がみられた。
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