2003 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンシグナルの検出モデル動物の開発と周生期脳インプリンティング機構の解明
Project/Area Number |
15688010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石塚 真由美 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (50332474)
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Keywords | エストロゲン / シトクロムP450 / マイクロアレイ / トランスジェニック / レポーター / インプリンティング / ERE / 視床下部 |
Research Abstract |
エストロゲンはCYP分子種の一つ、アロマターゼ(CYP19)によって生合成される。オスでは、精巣から分泌されたテストステロンが脳のアロマターゼでエストロゲンに変換され、脳がエストロゲンによってインプリンティングされ、性成熟後に性行動がオス化する。メスでは、この時期に体幹でエストロゲンがトラップされるため、エストロゲンは脳へは運ばれないことも分かっており、脳内アロマターゼは「エストロゲンの産生→インプリンティング→成熟後の正常な性行動・性ホルモン分泌」を決定付ける重要な酵素である。申請者は、昨年度までの研究において、この時期のimprintingへの影響をin vivoでスクリーニングする系を確立するため、1)トランスジェニック動物の作成、2)脳神経系におけるエストロゲン標的遺伝子のスクリーニングの影響、を計画し、以下の結果を得た。 1)トランスジェニック動物の作成 エストロゲンに特異的に感受性の高いERE単純繰り返し配列の連結クローンをERE-レポーター遺伝子カセットに組み込み、転写活性化について、培養細胞を用いてベクターの条件設定を行った。 2)脳神経系におけるエストロゲン標的遺伝子のスクリーニング マイクロアレイ解析法を用いて、周生期にテストステロンに曝露したメスラットの脳において、発現レベルが変動する遺伝子群のスクリーニングを行った。テストステロンシャワーによるimprintingのモデルとして、本来ならばimprintingの起こらない生後4時間以内の新生メスラットにテストステロン0mg、0.1mg、1mgを皮下投与し、72時間後の視床下部を採取した。視床下部より抽出したmRNAは、アフィメトリックス社のgene chip(RN-U34、約1300遺伝子)を用いてスクリーニングした。また、得られた結果について、リアルタイムRT-PCR法でその変動を確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Saito et al.: "Polymorphism in diazepam metabolism in Wistar rat"J Pharmaceutical Sciences. 93(5). 1271-1278 (2004)
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[Publications] Kim et al.: "Short period exposure to di-(2-ethylhexyl) phthalate regulates testoster one metabolism in testis of prepubertal rats."Arch Toxicol.. 77(8). 446-451 (2003)
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[Publications] Sakamoto et al.: "Cytochrome p450 induction and gonadal status alteration in common carp (Cyprinus carpio) associated with the discharge of dioxin contaminated effluent to the Hikiji River, Kanagawa Prefecture, Japan."Chemosphere. 51(6). 491-500 (2003)
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[Publications] Ishizuka et al.: "Perinatal exposure to low doses of 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin alters sex-dependent expression of hepatic CYP2C11."J Biochem Mol Toxicol.. 17(5). 278-285 (2003)
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[Publications] Hoshino et al.: "Organochlorine compound accumulation in Steller sea lion Eumetopias jubatus migrating along the coast of Hokkaido in northern Japan"Jpn J Toxicol.. 6(1). 1-10 (2003)
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[Publications] 板倉隆夫, 石塚真由美, 藤田正一: "P450の分子生物学(第4章 魚類のP450酵素系)"講談社サイエンティフィク. 255(167-182) (2003)