2004 Fiscal Year Annual Research Report
常染色体性劣性遺伝を示す癌疾患群原因遺伝子のSNP解析
Project/Area Number |
15689007
|
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
磯村 実 財団法人癌研究会, ゲノムセンター, 研究員 (40272497)
|
Keywords | SNP / 常染色体性劣性遺伝 / 癌関連遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、常染色体性優性遺伝を示す遺伝性癌疾患または高頻度で癌を発症する疾患群の原因遺伝子に着目し、癌患者群、特に家系内発症が見られる患者群ならびに正常対照群におけるこれらの遺伝子内に存在するSNP多型を解析することにより、癌患者群にて有意に高頻度に認められるゲノム多型またはハプロタイプを見いだすことを目的とする。 本年度より研究に用いるDNAサンプルの収集を開始した。現在までに正常人サンプル100サンプル、乳癌患者サンプル61サンプルを収集した。また、正常人サンプル56サンプルについてはSNPのタイピングを行った。タイピングを行った遺伝子並びにSNP数(括弧内)は、ATM(6),NBS1(10),BLM(17),WRN(5),FANCA(15),FANCC(17),FANCD2(4),FANCE(2),FANCF(2),XPA(1),XPC(7)である。これらのタイピングデータを用いて各遺伝子のハプロタイプ頻度推定並びに各個人のディプロタイプの推定を行った。ハプロタイプの推定にはマイナーアレルの頻度が0.1以上のSNPのみを使用した。これらのデータをもとに、ADBlockソフトウエアを用いたハプロタイプブロック構造の同定を行った。その結果、例えばBLM遺伝子はハプロタイプ頻度推定に用いた9個のSNPすべてが同一のハプロタイプブロック内に存在し、5種類のメジャーハプロタイプが存在することが推測された。さらにこの結果をもとにして遺伝子毎にtSNPの抽出を行った。各遺伝子毎のtagSNPの数は以下の通りである(括弧内がtSNPの数);ATM(2),NBS1(2),BLM(5),WRN(2),FANCA(3),FANCC(2),FANCF(2),XPC(2)。なお、FANCD2,FANCE,XPA遺伝子についてはtSNPの抽出を行うことができず、今後の課題である。これらの結果を用いればより少ない数のSNPにて同精度のハプロタイプ解析結果が得られることが示唆された。
|