2005 Fiscal Year Annual Research Report
イムノフィリンリガンドによる脊髄損傷修復の基礎および臨床研究
Project/Area Number |
15689018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新田 淳美 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (20275093)
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Keywords | サイクロスポリン / イムオフィリン / カルシュニューリン / 脳由来神経栄養因子 / グリア細胞株由来神経栄養因子 / ラット |
Research Abstract |
免疫抑制剤には本来の免疫抑制作用のほかに神経栄養効果が報告されてきた。本研究によっていくつかの免疫抑制剤関連化合物が、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)の産生を誘導することを明らかにしてきた。その中でも最も産生誘導効果の高いLeu-Ileというジペプチドについて検討を行っている。 昨年度までの我々の研究で、Leu-Ileの脳内結合タンパクをマススペクトルで同定したところ、Hsc70であることが分かった。17年度は、Leu-IleがHsc70に結合した後に、どのようなメカニズムで神経栄養因子の産生を誘導し、神経保護作用を有するのかを明らかにした。Kingらの報告(EMBO J,20,6297-6305,2003)において、Hsc70はHopと結合することによって、Hsp90およびAktを活性化させ、転写調節部位であるCREBを活性化することが明らかにされているが、Leu-Ileを神経細胞に作用させた場合も、Aktの活性化やCREBの活性化が誘導された。そこで、Rsp90の阻害剤であるgeldanamysinやCREBのヌクレオチドアンチセンスを使用した免疫沈降実験を行ったところ、Leu-IleがHsc70と結合して、Hsp90を活性化させた結果、Aktのリン酸化を誘導し、更にCREBでの遺伝子調節が正の方向に動くことによって、GDNFの産生および神経保護作用が観察されることを証明した。3年間の本研究成果は、J.Neurosciに掲載の予定である。また、特許出願も行い、PCT出願に至っている。
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Research Products
(10 results)