2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への安全なケア提供を目的とした循環器系自律神経活動のモニタリング機器の開発
Project/Area Number |
15689026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 典子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80334233)
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Keywords | 自律神経活動 / 周波数解析 / 圧受容器反射感受性 / 虚弱高齢者 |
Research Abstract |
虚弱高齢者にとって、血圧調節を司る循環器系自律神経活動を評価することは、とくに体動時には重要である。従って、本研究課題は、体動時の高齢者の循環器系自律神経活動の評価する測定機器の開発を目的として、二年度に渡り実施した。初年度は、指尖動脈から連続血圧信号を得るために圧センサーを用いた測定機器を開発し、自己回帰モデル(Auto-Regressive Model)による自律神経活動の評価を試みたところ、安静時・運動時の若年者と安静時の高齢者で、循環器系自律神経活動の評価が可能であることが示唆された。従って、本年度はこの測定機器を用いて、高齢者の運動時における自律神経活動評価を試みた。 虚弱高齢者5名を対象に下肢受動運動時における自律神経活動評価法として連続血圧信号の周波数解析を行った。連続血圧信号は、1)トノメトリ方式連続監視装置による非観血的連続動脈圧(Arterial Blood Pressure ; ABP)と2)圧センサーによる連続圧信号(Finger-Pressure Signal ; FPS)を用いた。ABPおよびFBPによる平均Pulse Intervalと心拍変動は、非常に高い相関がみられた。一方、収縮期血圧は相関がみられなかった、血圧変動は低周波数領域、高周波数領域とも相関がみられた。従って、圧センサーでは、安静時同様に運動時でも正確は血圧値を得ることはできないが、血圧変動値を評価できる可能性が示唆された。従来法であるABPは、測定部位を静止した校正時間が必要であり、体動時の測定は不可能であるが、校正時間を必要としないFPSを用いた本測定機器は運動時の測定法として有用な測定機器となり得ることが示唆された。従って、今後これらの機器を用いて、さまざまな高齢者のケア提供時の循環器系自律神経活動のモニタリングか可能になり、体位変換時や起立時などの体動時やリハビリテーション時などで使用されることが期待される。
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