2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
満保 雅浩 東北大学, 情報シナジーセンター, 助教授 (60251972)
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Keywords | 推移署名方式 / 有向グラフ / 推移閉包 / 離散対数問題 / 適応的選択文書攻撃 / 存在的偽造不可能 |
Research Abstract |
本研究は,暗号核技術における結合機能や分割機能について考察すると共に,これらの新しい機能を有する暗号株技術の構成を行っている.本年度は,特に,ディジタル署名方式の結合機能と代数的な性質の関係に着目して,研究を遂行し,以下のような結果を導き出した. 安全なディジタル署名方式を構成するには,一般に,ディジタル署名方式に「代数的性質」を持たせるべきでないと言われている.しかし,代数的性質を逆に利用することで,むしろ魅力的な新しい機能を署名方式に付与できると考えられるようになりつつある.この流れを汲む研究として,2002年にMicaliとRivestは推移署名方式と呼ばれる署名方式を提案している. 推移署名方式は,グラフで表現できるデータに対するディジタル署名方式であり,推移性を有することが特徴である.Micaliらは,無向グラフにおいて具体的な推移署名方式を幾つか提案しており,それらの方式の安全性の根拠が現在までに解明されている.Micaliらは,また,有向グラフにおける構成方法は未解決問題であるとしており,著者の知る限り,有向グラフにおいて安全性が解明された方式は,現在までに知られていない. そこで本研究では,有向グラフに対する推移署名方式の定義、並びに,具体的な構成方法を示し,提案方法が離散対数問題の困難さの仮定のもとで,適応的選択文書攻撃に対して,推移性により求められる署名を除いて存在的偽造不可能となることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)