2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700017
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角川 裕次 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80253110)
|
Keywords | 分散アルゴリズム / 耐故障計算 / 自己安定システム |
Research Abstract |
本研究においては、分散システムにおける耐故障性を有する基本アルゴリズムに関する研究を行った。主に3つの方向から研究を行い、いくつかの成果を得た。成果の概要は以下のとおりである。 1 自己安定に基づく耐故障性の実現 最適マルチキャスト通信を実現するにはスタイナー問題を分散システムで解く必要があるが、本研究では解のよさを最適解とのある一定の比率内に収まるような近似分散アルゴリズムを提案した。また提案アルゴリズムはどのような一時故障が発生しても自動的に正常な状態に回復する、自己安定アルゴリズムでもある。 2 コーラムによるPeer-to-Peer環境向け分散通信構造 Peer-to-Peer分散システムの一部が故障しても、残った計算機で通信を行うことで情報交換が可能な仕組みを提案し、オブジェクト検索用のプロトコルを提案した。 3 アドホックネットワーク向けの分散アルゴリズム研究 ネットワークトポロジが動的に変化しても、どの程度の変化量ならプロトコルが対応できるかを定量的に評価する理論的枠組みを考案した。そしてトークン巡回問題を例にして、トークン巡回に要するコストとネットワークの変化量との関係を理論的に保障した、アドホックネットワーク向けの自己安定分散アルゴリズムを提案視した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] S.Kamei: "A self-stabilizing distributed algorithm for the Steiner tree problem"IEICE Transactions on Information and Systems. E87-D. 299-307 (2004)
-
[Publications] 角川裕次: "A dynamic reconfiguration tolerant self-stabilizing token circulation algorithm in ad-hoc networks"「計算機科学基礎理論の新展開」,京都大学数理解析研究所講究録. (発行予定).
-
[Publications] 三浦健: "確率的弱コーラムシステムを用いたP2P環境オブジェクト検索アルゴリズム"情報処理学会アルゴリズム研究会. 2003-AL-23. 49-56 (2004)
-
[Publications] S.Kamei: "A self-stabilizing algorithm for the distributed minimal k-redundant dominating set problem in tree networks"Proceedings of the International Conference on Parallel and Distributed Computing, Applications and Technologies (PDCAT). 720-724 (2003)
-
[Publications] M.Toyomura: "A quorum-based distributed algorithm for group mutual exclusion"Proceedings of the International Conference on Parallel and Distributed Computing, Applications and Technologies (PDCAT). 742-746 (2003)