2003 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク上におけるデータ統合問題に関する数理的解法
Project/Area Number |
15700018
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中山 慎一 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (50284279)
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Keywords | グラフ理論 / ネットワーク理論 / アルゴリズム / 計算量 / 置換グラフ / 全域木 |
Research Abstract |
近年,ネットワーク上でのデータ交換は膨大な量となっている.そうしたなかで,各サーバー間でのデータ交換技術というのは重要である.特に,数多く存在するサーバーがそれぞれ保持するデータをある一箇所のサーバーにすべて統合する機会も多く,そうしたデータ統合を効率的に行う技術の開発が迫られている.ネットワークの構成,サーバーの特徴などにより,データ統合には様々な条件が必要となるが,ここでは以下のような条件のもと,サーバー上に分散されているデータをあるひとつのサーバーに統合するデータ統合問題について考えた. 条件1.データ統合を行うサーバーは,データを送信するサーバーが送ってくるデータを同時に統合可能 条件2.データ統合を行うサーバーは,データ統合時にデータ送信は不可能 この条件では,データ統合するサーバーが分散されていれば,同時間に複数のサーバーがデータ統合可能となる.つまり,ひとつの平行・並列処理問題である. 本研究では,上記のデータ統合問題がグラフ・ネットワーク理論を用いることにより最小節点ランキング全域木問題として形式化可能であることを示し,問題の解明を行った.結果として以下の二つを得た. ・結果1.最小節点ランキング全域木問題がNP困難であることを証明した 先に述べた条件におけるデータ統合問題は,グラフ・ネットワーク理論を用いれば最小節点ランキング全域木問題として定式化可能であることを示し,この間題がNP困難であることを証明した. ・結果2.置換グラフ上における多項式時間アルゴリズムを開発した. 一般的グラフでは,最小節点ランキング全域木問題はNP困難であることが証明されたので,グラフをどのようなクラスに制限すれば多項式時間アルゴリズムが存在か探求した.本研究では,グラフのクラスを置換グラフに限れば多項式時間アルゴリズムが存在することを証明した.
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[Publications] Shin-ichi Nakayama: "An algorithm for solving the minimum vertex ranking spanning tree problem on permutation graphs."IPSJ SIG Technical Report. 2003-AL-32. 33-40 (2003)
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[Publications] 宮田敬三: "最小節点ランキング全域木問題の計算複雑性について"信学技報. COMP2003-55. 9-14 (2003)