2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700022
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
宇野 毅明 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 助教授 (00302977)
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Keywords | 列挙 / アルゴリズム / 飽和集合 / 遅延 / 変化 / コーダルグラフ / 安定集合 / 木 |
Research Abstract |
本年度の研究は、頻出集合と呼ばれるデータマニングの基礎的な問題の解と、グラフのクリーク・極大クリーク、およびコーダルグラフ上の安定集合の列挙問題に焦点を当てた。頻出集合と2部グラフの2部クリーク、および特殊なグラフ上のクリークは1対1対応するため、両者は共通のアルゴリズムを用いて解ける。これらの問題に対し、遅延がグラフの最大次数の4乗となるアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは実用上も高速であり、応用で使われる巨大なグラフに対して、既存のクリーク列挙アルゴリズムよりも非常に短い時間で求解を完了する。また、極大2部クリークに対しては、遅延をグラフの最大次数の3乗に短縮することにも成功した。 また、コーダルグラフと呼ばれるグラフクラスに属するグラフに対しては、安定集合の数え上げアルゴリズムを開発した。これは動的計画法を用いた線形時間のアルゴリズムである。また、このアルゴリズムを改良して、最大安定集合、大きさを固定した安定集合の数え上げアルゴリズムも開発した。これらのアルゴリズムから、遅延が0(1)時間、変化が0(1)である列挙アルゴリズムが導ける。既存のコーダルグラフに対する列挙アルゴリズムは、平均的に、1つあたり頂点数に比例する時間をかけており、最悪の場合はより長い時間をかける。今回のアルゴリズムはこれを大きく改良した。 また、これら列挙アルゴリズムの技術の応用として、スケジューリング問題における固定テストを高速に行うアルゴリズムを開発した。この問題は、スケジューリング問題を解く際に、先行順序を固定できるような変数の組を列挙する問題であり、列挙アルゴリズム高速化の技法が活用できる。このアルゴリズムは、既存の4乗時間アルゴリズムよりはるかに短時間な、ほぼ2乗時間のアルゴリズムとなっている。
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Research Products
(4 results)