Research Abstract |
平成16年度は主に次の1,2に従って,研究を行った. 1.ホームネットワークにおける家電連携サービスのモデル化と実装 ホームネットワークにおける家電連携サービスは,複数の機器を連携制御することで,家庭内のユーザにユーザにより安全で快適な暮らしを提供する,次世代のユビキタス・インターネットアプリケーションの一つとして注目されている.本研究では,各機器を機器の内部状態を保持するプロパティと,振舞いを表すメソッドとを備えるオブジェクトとしてモデル化する手法を開発した.また,家電連携サービスを独立した機器のメソッド系列として定式化し,具体的な実装を行った.本手法により,従来サーバ中心型であったホームネットワークのアーキテクチャを,より耐故障性・柔軟性に富むサービス指向アーキテクチャへと改善することが可能になった.連携サービスのモデル化,設計法を2件の国際会議(ICETE2004,ICSOC2004)で発表した.また,実装も含めた成果を,情報処理学会論文誌で発表した. 2.家電連携サービスにおけるサービス競合の検出手法の開発 1.で開発したホームネットワークのモデル化手法に基づき,ホームネットワークにおけるサービス競合問題を定式化した.具体的には,先ず,機器のメソッドを前条件と後条件からなる論理式で抽象化し,複数のサービスがメソッドを実行する際,メソッドの前後において論理が衝突する現象をサービス競合,として捉え,競合検出を行う.本研究では,機器競合と環境競合という,ホームネットワークにおける2種類のサービス競合を新たに提案し,具体的な検出手法を実装した.これらの成果をまとめて,電子情報通信学会の研究会(IN/NS研究会,3月)で発表した.また,サービス競合の国際会議(ICFI2005)に投稿,採録が決定している.
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