2004 Fiscal Year Annual Research Report
非同期仮想ハードウェア技術を用いた低電力メディア処理プロセッサの試作
Project/Area Number |
15700065
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 裕一郎 長崎大学, 工学部, 講師 (10336183)
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Keywords | 仮想ハードウェア / 非同期回路 / プロセッサ |
Research Abstract |
本年度はFPGAボードを用いた演算器動作の検証と並行しながら,試作チップの設計をすすめた.現在の所,非同期チップの設計を支援するツールが存在しないことから,非同期回路を一種のペトリネットとしてモデル化し,ユーザがペトリネットとして入力したモデルを非同期回路に自動で変換する設計ツールの実装を行った.そして,本ツールを用いてさまざまなアプリケーションを非同期回路として設計することにより,効率的な論理ユニットの粒度について検討を行った.また,今回設計するメディア処理プロセッサでは消費電力を抑えるために浮動小数点ユニットを実装しないが,レイトレーシングなどの画像レンダリング処理やIMBEなどの音声符合化処理などを固定小数演算だけを用いて実装し,30ビット程度の精度を持てば実装方法を工夫することで必要な処理結果を得られることを示した.さらに,メディア処理プロセッサにおいて今後重要となると考えられる楕円曲線暗号処理に関して効率の良い演算器の構成方法について検討を行ない,素体に基づくモンゴメリ乗算方法の有効性を示した.試作チップの設計は現在一般的なRISCプロセッサと同等の処理を行うマイクロプロセッサ部の動作テストが完了しており,来年度にはテープアウトする予定である.なお,これらの研究成果は電子情報通信学会論文誌やInternational Conference on Field Programmable Logic and Applications等で公表を行っている.
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Research Products
(6 results)