2003 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア協調型チップマルチプロセッサにおけるデータ利用最適化に関する研究
Project/Area Number |
15700074
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木村 啓二 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (50318771)
|
Keywords | 計算機アーキテクチャ / 並列計算機 / コンパイラ |
Research Abstract |
本年度は、当初の計画通りOSCARチップマルチプロセッサ用のデータローカリティ最適化技術(データローカライゼーション手法)に関する研究を行なった。具体的には、プログラムから抽出した粗粒度タスク(並列処理の単位)をコンパイル時に静的にチップ内プロセッサへ割り当てると同時に、ローカルメモリへの割当ても行なうアルゴリズムを提案し、コンパイラヘの実装を行なった。さらに、提案手法を評価するためのOSCARチップマルチプロセッサのシミュレータの開発も行なった。SPECfp95のTOMCATVとSWIMを用いた評価の結果、8PEでローカライズを適用した場合,同8PEのローカライズ未適用時に対して,TOMCATVでは最大7.7倍、SWIMでは最大2.7倍の性能向上をそれぞれ得ることができた。 さらに、提案手法のマルチメディアアプリケーションへの適用例としてMPEG2エンコーディング処理に手動で提案手法を適用し、その予備評価を行った。本研究では、MPEG2エンコードがマクロブロックをデータ単位としてエンコード処理を行うことに注目し,まず,エンコード処理の各ステージをマクロブロックレベルの部分タスクに分割し、分割後の各部分タスクを粗粒度タスクとして定義した。その後、同じマクロブロックをエンコードする粗粒度タスク群をグループ化しこのグループが同じプロセッサ上で連続実行するように粗粒度タスクをスケジュールすることでデータローカライゼーションを実現した。本手法をMPEG2エンコーディングプログラムに適用しシミュレータ上で評価を行った。評価の結果、データローカライゼーション手法を適用しない逐次実行時間に対して1PEで1.07倍,2PEで2.12倍,4PEで4.06倍,8PEで6.82倍の速度向上が得られ提案手法の有効性が確かめられた
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 宮本孝道: "SMPマシン上での粗粒度タスク並列処理におけるデータプリフェッチ手法"情報処理学会研究報告. ARC155-06. 63-68 (2003)
-
[Publications] Hirofumi Nakano: "Memory Management for Data Localization on OSCAR Chip Multiprocessor"Proc.of International Workshop on Innovative Architecture for Future Generation High-Performance Processor and Systems (IWIA'04). (未定). (2004)
-
[Publications] Takeshi Kodaka: "Parallel Processing using Data Localization for MPEG2 Encoding on OSCAR Chip Multiprocessor"Proc.of International Workshop on Innovative Architecture for Future Generation High-Performance Processors and Systems (IWIA'04). (未定). (2004)
-
[Publications] 小高剛: "データローカライゼーションを伴うMPEG2エンコーディングの並列処理"情報処理学会研究報告. ARC156-3. 13-18 (2004)