2003 Fiscal Year Annual Research Report
ハードウェアとソフトウェアの連携による高速主記憶データベース処理の研究
Project/Area Number |
15700090
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 純 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (40293394)
|
Keywords | データベース演算 / 主記憶データベース / インデクス / トランザクション処理 / 分散ストレージ / 主記憶ロギング / 高信頼システム |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、主記憶上のデータを主な対象としたデータベース演算ならびにトランザクション処理の高速化とその評価である。今年度達成した項目は、小型コンピュータにおいて主記憶上のインデクスを利用した高速データベース演算方式、ならびに主記憶ロギングを考慮した分散ストレージシステムの高信頼構成方式とその評価である。 小型コンピュータ上での主記憶インデクスを利用した高速データベース演算方式では、フラッシュメモリや超小型ディスクといったシーケンシャルアクセスがランダムアクセスよりも遥かに高速なストレージを対象として、更新データを全てシーケンシャルに追記することにより高速なデータアクセスを可能とした。また、データの格納位置をキーとして主記憶上にインデキシングすることにより、データをアクセスする前にキーを主記憶上でソートし、データアクセスのスケジューリングを行うことで高速なデータベース演算、特に高速な選択・射影演算が可能なことを明らかにした。また、主記憶上のログバッファを利用して、遅延コミット処理を組み合わせることにより、トランザクション処理性能の改善が可能であることも示した。 主記憶ロギングを考慮した分散ストレージシステムの高信頼構成方式では、データの書き込みを高速かつ高信頼に行うために、論理ログと物理論理ログを組み合わせ、論理ログは永続記憶上に、物理論理ログは主記憶上に保持することにより、アベイラビリティを維持しつつデータベース処理のスループットが高められることを明らかにした。システムの構成方式をいくつか挙げ、定常アベイラビリティだけでなく、計算アベイラビリティやコストパフォーマンス、コストエフェクティブネスといった信頼性および性能評価の指標を用いて、それぞれの構成方式を定量的に評価した。
|
-
[Publications] 小野田英樹, 波多野賢治, 宮崎純, 植村俊亮: "ウェアラブルコンピューティングのためのポータブルな能動型DBMSの検討"電子情報通信学会技術研究報告. 103・356. 19-24 (2003)
-
[Publications] 宮崎純, 小野田英樹, 波多野賢治, 植村俊亮: "ウェアラブルコンピュータのためのデータベース管理システム"計測自動制御学会第4回システムインテグレーション部門講演会(SI2003)論文集. 3G4-4. 2 (2003)
-
[Publications] Jun Miyazaki, Yohei Abe, Haruo Yokota: "Availabilities and Costs of Reliable Fat-Btrees"Proceedings of the 10th International Symposium Pacific Rim Dependable Computing (PRDC2004). 163-173 (2004)
-
[Publications] 小野田英樹, 波多野賢治, 宮崎純, 植村俊亮: "ウェアラブルコンピューティングのためのデータ追記型ファイルシステムの実装"電子情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEW2004)論文集. 8 (2004)
-
[Publications] Hideki Onoda, Kenji Hatano, Jun Miyazaki, Shunsuke Uemura: "A Portable Active Database for Wearable Computer"Proceedings of the 4th International Workchop on Smart Appliances and Wearable Computing (IWSAWC2004). 1 (2004)