Research Abstract |
本年度は,スポーツシーンに意味づけし,その結果を利用する技術を開発した.対象として,実際に放送された野球映像を用いた.野球における1シーンは1投球に対応する映像区間である.1投球区間に現れる映像ショットの種類,構成について検討したところ, ・1投球から次の投球までの間が短いシーンは,見送りやファウルである ・打球が飛んだ場合,その打球を追うカメラワークを含んだショットが現れる. ・1シーンの中で,実際にプレイに関係するのは,投球開始から,打者や走者,投手をアップで写したショットまでの間であり,その後は,リプレイなど,ゲームの流れに無関係な映像が含まれる. などの特徴があることが分かった.これらの知識を導入するために,ショットの種類として, 1.投球開始時に現れる「プレイ開始ショット」 2.打球を追ってカメラワークが起こる「ボールを追うショット」 3.打者,走者,投手をアップで撮影する「プレイヤショット」 の3種類を取り上げ,自動的に識別する処理を実現した. これらのショット種別を利用して,3種類のダイジェスト生成を行った.1つ目は,3ショット以下で構成されるプレイを除去し,残りのショットのうち,1投球区間で「プレイ開始ショット」から最初に現れる「プレイヤショット」のみを集めたダイジェストである.このダイジェストは,試合の重要な流れを網羅しつつ,60分の映像を20分に短縮することができた.2つ目は,「ボールを追うショット」を含むプレイ区間を集めたもので,打球の飛んだプレイからなる5分間のダイジェストを生成した.3つ目は,「ボールを追うショット」を含むプレイが多く現れたイニングを抜き出したもので,実際に得点の入ったイニングからなる5分間のダイジェストを生成した.このように,ショットの種別を元にして,各種のダイジェストを生成することができた.
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