2004 Fiscal Year Annual Research Report
3次元形状モデル陰関数表現の高速自動生成と多重解像度表現
Project/Area Number |
15700112
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
仲田 晋 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (00351320)
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Keywords | 前処理付き反復解法 / 多重解像度表現 / 共役勾配法 / 陰関数表現 / ウェーブレット変換 |
Research Abstract |
近年3次元形状計測装置に基づく形状モデリングが一般的となった.特に精度向上のために高精細な計測データからの形状モデルの生成が必要とされ,計測される点群数は数万〜数百万に及ぶことも多い.このような計測データの大規模化に伴い,形状モデル生成のための計算量とデータ量の増加が問題となっている. 点群データに基づく形状モデリングの代表的な方法として形状を陰関数曲面モデルとして表現する手法が挙げられる.このような陰関数曲面を大規模な点群データから生成する方法は現在数多く提案されおり,それぞれ生成速度や補間性能などに特徴が見られる.この典型的な手法の一つはCSRBF(Compactly Supported Radial Basis Function)を基底関数として陰関数を構成する方法である.その生成過程は大規模疎行列を係数とする連立1次方程式を解く問題に帰着され,共役勾配法による求解が有効とされている.我々は共役勾配法を効率的に適用するために,まず非零要素がランダムに分布する係数行列を帯行列に変換し,さらにこれに不完全コレスキー分解を施すことで反復解法の前処理とする方法を提案した.これは不完全コレスキー分解の不完全性を低減する効果があり,共役勾配法の収束性の向上を図ることができる.この有効性は数値実験により確かめられた. また,データと計算量の大規模化への対策として進めている並列化の研究についても成果が得られた.並列計算機のメモリアーキテクチャは共有,分散,あるいはそれらが混在するようなケースが考えられるが,我々はいくつかの基本的な数値解法について,このような多様なメモリアーキテクチャに適切に対応する並列化手法を提案し,数値実験を通してその有効性を確認した. 今後はウェーブレット変換に関する昨年度の成果を応用することで,陰関数の多重解像度表現の実現を目指す.
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