2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロジェクタ投影機を用いた実物体の色修復システムの構築
Project/Area Number |
15700114
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
堀井 千夏 摂南大学, 経営情報学部, 講師 (00273863)
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Keywords | 複合現実感 / 色修復システム / 色補正 / 彩色照明 / クロモリット / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
本研究では,重要文化財を保存しようとするデジタルアーカイブの研究の拡張として,文化財の色彩を仮想的に修復することを目的とした.提案した色修復システムには,複数人が同時に環境を共有できるという利点から,プロジェクション方式によるMR技術を用いた.この方式を用いた場合,照明光源の分光分布や投影対象の物体表面がもつ分光特性が異なれば,同色のテクスチャを投影しても合成像の色の見えは異なる.そのため,本システムでは,対象物体に単一カラー光を投影したときの実測値から求めた投影光の推定式に基づいて色修復を実現する.この手法は,実測値に基づいて投影光を制御するため,環境光や対象物体などの外的要因に依存しないという利点がある.まず初年度は,色修復のプロトタイプシステムとして,サンプル画像に対してテストパターンをプロジェクタで投影することで対象物体の分光特性を考慮した関係式を導いた.次に,修復領域と修復色を決定するインターフェースを作成して,プロジェクタとビデオカメラの特性を考慮した投影色の推定を行った.この色修復システムを2次元物体である絵画に対して適用した結果,筆感を残したまま,ユーザの意図どおりに絵画の色調を修復できたことが確認された.更に最終年度では,本システムに3次元物体の形状計測を行う機能を取り入れ,銅鐸に対して色修復を適用した.この結果,対象物体の質感を損なうことなく,修復色を再現することができた.これらの結果より,任意形状の実物体に対して本システムによる色修復が有効であることが確認できた.
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Research Products
(2 results)