2005 Fiscal Year Annual Research Report
災害救助エージェントにおける異種エージェントの効率の良い組み合わせと評価法の研究
Project/Area Number |
15700128
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 暢浩 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (40314075)
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Keywords | マルチエージェントシステム / エージェントシミュレーション / ロボカップレスキュー / 災害救助 / 異種エージェント / 実験計画法 / ゲーム理論 / ロボカップ |
Research Abstract |
マルチエージェントシステムのテストベットとしてRoboCupプロジェクトのサッカーシミュレーションおよびレスキューシミュレーションが利用されている.このサッカーシミュレーションの評価分析に関する研究分野では,試合全体の評価をおこない相手チーム,自チームの性質を分析するものや,有効な協調行動を取り出して分析するという研究が主流であるが、どれも有効な手段とはいえなかった.そこで初年度(平成15年度)は,対象環境としてRoboCupサッカーシミュレーション,次年度(平成16年度)はレスキューシミュレーションを考え,エージェントの評価を検討した.サッカーシミュレーションでは実験計画法によるアプローチ,レスキューシミュレーションでは実験計画法に加えシャープレイ値によるアプローチを用いて分析・評価をおこなった.その結果,分析・評価を通して得られた結果に基づいて設計したエージェントシステムが改善できることが確認でき,有効な手段であると考えることができた. 研究の最終年度である平成17年度は,これまでの成果を応用するためにRoboCupレスキューシミュレーションを対象環境として研究をおこなった.RoboCupレスキューシミュレーションでは,競争的な研究・開発のため国際的な競技会を開催している.そこでは火災消火を担当する消防エージェント,閉塞した道路を切り開く道路啓開エージェント,被災市民の救出を担当する救急エージェントの3種類の異種エージェントの協調行動により被災地の損害額をいかに抑えるかを競っている.しかしながら,大規模な災害救助シミュレーションでは,別々の組織から参加する消防エージェント同士の協調や,別々の組織の消防エージェント,道路啓開エージェントの協調など,より積極的な異種エージェントへの取り組みが必要である.そこで,上述の枠組みをカバーするシミュレーションシステムを実装し,その分析方法などについて検討をおこなった.これまでに提案された災害救助エージェントは,同じ組織内での協調のみを意識しているため,他組織のエージェントとの協調を可能とするエージェントはごく一部であることがわかった.また,RoboCupレスキューシミュレーションの競技会への提案もおこなった.今後,マルチエージェントシステムの新しいテストベッドとなっていくことが期待できる.
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Research Products
(5 results)