Research Abstract |
本研究は,人と機械とのインタラクティブコミュニケーションをより人にやさしく実現するために,機械が人の表情を認識し,その表情を考慮して人に音声で応答する,人の感性を考慮したヒューマン・マシン・インタフェースシステムの構築を目的に以下を行った. 1.ヒューマン・マシシ・インタフェースシステムへの実装を考慮して,入力顔の角度や,顔特徴の抽出精度にロバストな表情認識手法を提案した.そして,表情認識の結果に基づき,ユーザの感情状態を推定し,ユーザの表情を"喜び","怒り","悲しみ","驚き"の4表情に分類した. 2.人の基本感情に対応する音声データベースの構築を目的に,端的に顔や表情の特徴を表現できる似顔絵に着目して,"喜び","怒り","悲しみ","驚き"の表情顔の似顔絵を利用し,表情分析とコミュニケーションに関する感性情報の取得を試みた. 3.表情認識の際に生じる誤認識を考慮した,人の基本感情に応答する言葉を音声で保存した音声データベースを構築した.そして,音声データベースからユーザの表情に対応する適当な音声データの出力を検討した.最後に,ユーザの表情に対しての「適切さ」,出力された音声データの「分かりやすさ」,ユーザの「癒され度合い」の3点から構築した音声データベースについて検証実験を行った.さらに,ヒューマン・マシン・インターフェースシステムとして有用性を評価し,本システムが人と機械とのインタラクティブコミュニケーションの実現に貢献できることを示した.
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