2003 Fiscal Year Annual Research Report
ファジイ論理による頭部MRA画像からの脳動脈瘤検出法の提案
Project/Area Number |
15700198
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小橋 昌司 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00332966)
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Keywords | 知的画像処理 / MRI / ファジィ論理 / 遺伝的アルゴリズム / 脳動脈瘤 / 医用画像処理 |
Research Abstract |
本研究では、破裂すると脳梗塞などの重篤な症状となる脳動脈瘤を、破裂前に自動検出する計算機システムの開発を目指している。本研究で用いる画像は、脳内部を非侵襲に画像化できるMRI装置を用いたMRA撮影法により得られたMRA画像とする。MRA画像は脳動脈を高いコントラストで画像化できる。本年度の研究では、(1)脳動脈瘤の約80%が発症する脳血管が集中した場所であるウィリス環と呼ばれる部位の発見法と、(2)「脳動脈瘤らしさ」の概念を導入した動脈瘤検出法の検討を行った。以下にその詳細を示す。 (1)ウィリス環とは脳内の血管が、構造上環状になった場所である。本研究では能動脈と分岐部の位置及び構造をファジィ知識表現し、ファジィ知識を評価関数に用いた遺伝的アルゴリズムにより、脳内の血管よりウィリス環に相当する血管分岐点の組みを探索する手法を提案した。本手法の有効性は、計算機シミュレーション及び3名の被験者への適用により確認された。 (2)脳内の脳動脈瘤は位置、形状、信号値が様々であり、一意に規定することは困難である。そこで本研究では既に検出した動脈瘤を教師データとした事例ベースシステムを構築し、未知の被験者より抽出した脳動脈瘤候補群に対し、そのそれぞれと教師データとの類似度を算出し、それを「脳動脈瘤らしさ」と定義した。本システムを用いることで、4 fold cross validationテストによりROCカーブ以下の面積(ROC-index)が平均0.95と非常に高い検出率が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Ninomiya, S.Kobashi, K.Kondo, Y.Hata, S.Imawaki, H.Uchida: "Computer-aided Diagnosis of Cerebral Aneurysm based on Fuzzy Expert System : MR Angiography Study"Proc. of The 8th Australian and New Zealand Conference on Intelligent Information Systems. 219-224 (2003)
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[Publications] S.Kobashi, K.Kondo, Y.Hata: "Automated Finding of the Willis Ring in MR Angiography Images Using Fuzzy Knowledge Base"Proc. 2003 International Symposium on Multiple-Valued Logic(ISMVL). 83-90 (2003)
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[Publications] 二宮美佳, 小橋昌司, 近藤克哉, 畑豊, 今脇節朗, 内田發三: "ファジィ論理を用いた正常血管推定によるMRA画像からの脳動脈瘤検出法"第19回ファジィシステムシンポジム講演論文集. 387-390 (2003)