2003 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークインバージョンにおける不良設定逆問題の正則化に関する研究
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15700200
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
小川 毅彦 拓殖大学, 工学部, 助教授 (50297090)
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Keywords | 逆問題 / ニューラルネットワーク / ネットワークインバージョン / 複合材料 / 衝撃貫通画像 / 画像認識 / 振動解析 |
Research Abstract |
本年度は,ネットワークインバージョンにおける不良設定性逆問題解法の基礎的検討として、LindenとKindermannによって提案されたネットワークインバージョンの方法について,逆問題の不良設定性による解のばらつきを,積分方程式による一般的な問題によって理論的に検討することを目的として研究を行ってきた.具体的には論理積や論理和を学習させたネットワークに対し、出力から入力をネットワークインバージョンの方法で逆推定する問題を考え、Tikhonovの正則化法を導入した場合の解の収束性について検討した。正則化法として、解の最大・最小化と解の傾き最大・最小化を行う方法を提案し、実際にシミュレーションを行った。その結果として、上記提案法によって不適切解に対してばらつきの緩和を行うことができることを示した。 その他にも本年度は、複合材料の貫通破壊過程から材料の特性を逆推定する問題にニューラルネットワークを適用する研究や、複合材料に与えた衝撃によって発生する振動を解析することにより材料の特性を逆推定する問題にニューラルネットワークを適用する研究を行った。衝撃貫通破壊過程からの材料特性の推定においては、多層型ニューラルネットワークを用いて画像中の鋼球の認識および破片の認識を行い、その結果として高い認識率および分類正解率が得られた。また衝撃振動の解析においては、新しく提案したニューラルネットワークによって振動のモデル化および振動減衰率の推定を行い、その結果として高精度のモデル化および減衰率の推定が可能であることを示した。 以上本年度は、ネットワークインバージョンによる逆問題解法のための基礎的検討および、実際の問題へのニューラルネットワーク手法の適用を行い効果を示した.これによって本研究で用いてきた手法が,実際の様々な問題に対して有効であることがわかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小川毅彦, 橋本陽, 金田一, 笠野英秋: "ニューラルネットを用いた衝撃貫通画像における鋼球位置の推定"計測自動制御学会論文集. Vol.39, No.8. 789-791 (2003)
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[Publications] T.Ogawa, H.Kanada, H.Kasano: "Neural Network Localization of a Steel Ball in Impact Perforation Images"Proc.of The 42nd of SICE Annual Conference(SICE2003). 416-419 (2003)
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[Publications] H.Kanada, K.Shimizu, T.Ogawa: "A Study on Input Functions of Answer-in-Weights Neural Network for Time-Series Prediction"Proc.of The 42nd of SICE Annual Conference(SICE2003). 427-431 (2003)
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[Publications] 高橋良和, 小川毅彦, 金田 一: "複合材料の振動解析のためのニューラルネットワーク"第13回インテリジェント・システム・シンポジウム(FAN'03 in Hakodate)講演論文集. 218-221 (2003)
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[Publications] 細谷謙次, 小川毅彦, 金田 一: "複合材料の衝撃振動解析のためのニューラルネットワーク"電子情報通信学会技術研究報告(ニューロコンピューティング研究会). NC2003-129. 59-64 (2004)
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[Publications] T.Ogawa, Y.Takahashi, H.Kanada, K.Mori: "A neural Network Architecture for Vibration Analysis"Proc.of The IASTED International Conference on Artificial Intelligence and Applications(AIA2004). 427-431 (2004)