2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークインバージョンにおける不良設定逆問題の正則化に関する研究
Project/Area Number |
15700200
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
小川 毅彦 拓殖大学, 工学部, 助教授 (50297090)
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Keywords | 逆問題 / ニューラルネットワーク / ネットワークインバージョン / 不良設定性 / 正則化法 / 多自由度ロボットアーム / 逆運動学 / 複素ネットワークインバージョン |
Research Abstract |
本年度は,多層型ニューラルネットワークによる逆問題解法に適用する正則化法の,理論的・定量的な枠組みを確立することを目的として, ・ネットワークインバージョンを用いた多自由度ロボットアーム逆運動学の解法 ・複素ネットワークインバージョンを用いた複素逆問題の解法 の2つのテーマに取り組み,コンピュータシミュレーションを中心に検証を行った. ネットワークインバージョンを用いた多自由度ロボットアーム逆運動学解法については,2次元空間内における3自由度ロボットアームの手先座標から関節角を逆推定する逆問題にネットワークインバージョンの方法を適用し,正則化法を導入した場合の解の収束性を検討した.計算機シミュレーションによって効果を確認した結果,正則化法を用いることによって解の収束性がよくなることが示された.以上より,正則化法を加えたネットワークインバージョンによって,与えられた手先座標からの3自由度ロボットアーム関節角の逆推定が可能であることを示した. 複素ネットワークインバージョンを用いた複素逆問題の解法については,実数領域の入出力にのみ対応していた従来のネットワークインバージョンを,複素数領域の入出力に拡張するための複素ネットワークインバージョンの方法を検討した.複素ネットワークインバージョンの動作を確認するために複素写像の逆推定およびフーリエ逆変換問題のシミュレーションを行い,学習済みの複素入出力間の関係を逆に用いて出力から入力を推定できることを示した. 以上の通り,本年度はネットワークインバージョンにおける不良設定逆問題の正則化に関する研究として,ロボットアーム逆運動学解法の検討と,複素ネットワークインバージョンの検討を行い,その結果得られた成果を各種学会にて発表した.今後は本年度までに得られた成果をもとにさらに検討を重ね,さらに研究を行っていく予定である.
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Research Products
(6 results)