2004 Fiscal Year Annual Research Report
利用者の空間認知構造を考慮した自治体へのGIS導入過程に関する研究
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15700210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑山 満則 京都大学, 防災研究所, 助手 (10346059)
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Keywords | GIS / 導入過程 / 防災 / ITリテラシー |
Research Abstract |
自治体へのGIS導入は,実質的には成功例よりも失敗例の方が多いといわれている.このような一度苦い経験をしたことのある自治体へのGISの再導入には「きっかけ」が必要である.地域性を考慮したGISの導入の「きっかけ」として防災活動や災害対応を考え,利用者対象を主体となる自治体職員だけでなく,自治体職員と密な連携を持つ地域リーダーまで含めた形で以下のような考察を行った. 1)防災活動でのGISへの要求に関する調査 東京都杉並区役所における時空間GISをベースとした震災レスキューシミュレータの開発,防災訓練でのデモンストレーション,地域住民を対象とした懇話会「シミュレーションで考える防災都市づくり講座」という一連の活動とその後の対応をケーススタディとして,利用者の空間認知構造がGISへの要求にどのように影響を与えるかについて考察を行った.さらに,これをもとに市民参加型の災害リスクコミュニケーションでのGISの果たす役割について知見を得た. 2)自治体組織体系と導入過程に関する考察 日本の自治体組織は,一般的に,専門知識を持つ職員を1つの部署に固定する形ではなく,総合的な知識をもつ職員がある周期で部署を異動していく形を採っている.しかし,情報処理に関しては,従来十分とされてきた総合的な知識の領域を超えたものであるため,職員のこれまでの経験にもとづいた知識より,個人の経験による知識が上回る結果となっているのが現状である.そこで,情報処理の専門職を自治体に置いた場合,どのような導入過程が考えられるのかについて,トルコDuzce市における導入事例をケースとして考察した.
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Research Products
(4 results)