2004 Fiscal Year Annual Research Report
概念の獲得とシンボル使用に関する比較認知発達科学的研究
Project/Area Number |
15700218
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 悟 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (30344477)
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Keywords | 概念化 / シンボル的表象 / 比較認知科学 / 学習 / 発達認知科学 |
Research Abstract |
今年度は以下のように研究を進めた. 1.ヒト成人における概念形成とシンボル使用 複数の概念を形成する刺激画像を用意し,ヒト成人に対し,(1)異なった幾何学図形と各概念とを対応付け,概念に『命名』する「条件性見本合わせ課題」,(2)画面上に提示された白色正方形の位置と各概念都を対応付ける「条件性位置弁別課題」,(3)明示的なシンボルなしで複数の刺激集合を分類する「自由分類課題」の3種類の課題を用いて概念の獲得,形成訓練をおこなった.刺激数と実験条件が多いため,現時点に置いてすべての条件について検討し終えていないが,ヒト以外の動物における概念形成についてその比較対象となりうるヒトにおける概念形成のデータが収集されつつあり,顕現性の程度を操作したシンボルの存在が概念の獲得過程に与える影響について検証する準備が整っている状態となった. 2.ヒト幼児における概念形成調査 市内2カ所の私立幼稚園の協力の下,カード化した写真画像を概念ごとに分類する「自由分類課題」を実施した.昨年度の調査に引き続き4種類の概念について4/5歳の被験児を対象に,40枚のカードを被験児の前に提示した4種類のカードの仲間となるように自由に分類させた.被験児における間違った分類のしやすさをこれまで得られていたフサオマキザルの間違えやすさと比較したところ,ヒト幼児とフサオマキザルの間違えやすさのパタンが異なっていることが明らかになった.現在,同様の「自由分類課題」を用いた高次概念の分類,ならびに携帯型パソコンによる分類課題のより幼児に適した形でのアプリケーション並びにハードウェアの検討を進めている. 3.概念獲得過程のモデル化 概念獲得過程についてより詳細に検討するため,モデル化の可能性について検討をおこなった.シンボル的表象の在り方については,現在ロボットにおける環境の認識場面でも検討が進められており研究調査を進めた.
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Research Products
(2 results)