2004 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いた自己知識の多次元性・多面性に関する研究
Project/Area Number |
15700223
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堀内 孝 岡山大学, 文学部, 助教授 (00333162)
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Keywords | 自己知識 / 自己記述課題 / 自伝想起課題 / 他者知識 / 核磁気共鳴機能画像法(fMRI) / 事象関連電位(ERP) / 前頭前野内側部(MPFC) |
Research Abstract |
本研究の目的は,自己知識の多次元性・多面性について脳機能の観点から検討を行うことである.この目的を達成するために平成16年度は2つの実験を行った(実験番号は前年度からの通番号). 実験3:前年度のERPを使用した研究(実験2)では,判断対象の知識量の程度を操作したところ,前頭に位置するFzにおいて,500-700msの後期成分が自己条件>親密な他者(母親)条件>他者(田村亮子)条件となることが見出された.H16年は,実験2の成果を踏まえ,空間分解能に優れる核磁気共鳴機能画像法(fMRI)を使用して,判断人物の知識量の違いが前頭前野の活動水準に与える影響について検討を行った.その結果,自己条件は他の条件と比較して,活性化の程度が高くなる傾向が認められた. 実験4:意味記憶システムにおける自己知識(自己概念)はさらに下位要素(現実自己,理想自己,社会的自己)に分類することができる(堀内,1999).アクセスする自己知識の違いによって活性化する脳部位の相違を検討するため,行動指標とERPを用いた実験を行った.その結果,500-700msの後期成分において,Fz, Cz, Pzのいずれの部位に関しても,現実自己条件,社会的自己条件>理想自己条件という結果が得られた.この結果は,理想自己に関する処理は,現実自己や社会的自己に関する処理と活性化のパタンが異なることを示しており,その理由として,理想自己に関する判断は感情成分を多く喚起することが考えられる. 実験3の成果はH17年度の国際学会(学会は検討中)で発表予定,実験4の成果は日本心理学会第69会大会において発表する予定である.
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Research Products
(4 results)