2003 Fiscal Year Annual Research Report
歪みをもち裾の重い誤差分布を用いた回帰分析法の開発
Project/Area Number |
15700242
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳原 宏和 筑波大学, 社会工学系, 講師 (70342615)
|
Keywords | 非正規性 / 多変量歪度 / 誤差分布 / 頑健性 |
Research Abstract |
現在提案されている検定などの統計的手法のほとんどが、データが正現分布から抽出されたものであるという仮定の下で提案されている。しかしながら近年盛んに行われている、ゲノムや環境データのように明らかに正規性を満たしていないデータも多く存在する。正規性の仮定の下で提案された手法ではその正規性の仮定が満たされなかった場合、推定量が外れ値に引っ張られたり、検定のサイズが非常に大きくなったりと深刻な問題を引き起こすことがある。本研究の目的は歪度と尖度をパラメーターにより自由に変えることの出来る、ある意味セミパラメトリックな密度関数を定義しその密度関数に基づいた尤度関数によるパラメーター推定や検定等のより非正規性の影響を受け難い新しい回帰分析法の開発にある。しかしながら漸近展開などによりその補正も可能である。本研究において、Yanagihara, Matsumoto and Tonda(2004)で観測値に正規性を仮定したときの共分散行列に関する検定統計量の帰無分布の漸近展開を非正規性の下で導出した。この漸近展開の第2項は、真の分布の3〜6次キュムラントまで依存しており、実際使う場合にはそれらのキュムラントを推定しなくてはならない.しかしながら,3次キュムラントである歪度はそれほど極端ではないが、4次キュムラントである尖度は非常に大きい標本数がなければ、推定は難しい。これらのことを非正規多変量線形モデルにおいてシミュレーションにより明らかにし、漸近展開に基づくが補正法には限界があるため本研究が有用であるというとを確かめた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Yanagihara, H., Matsumoto, C., Tonda, T.: "Asymptotic expansion of the null distribution of the modified normal likelihood ratio criterion for testing Σ=Σ_0 under nonnormality."Hiroshima Mathematical Journal. 34・1(発表予定). (2004)