2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋不死化細胞に由来する筋知覚神経軸索伸長因子の解析とクローニング
Project/Area Number |
15700282
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤森 一浩 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門・ニューロニクス研究グループ, 研究員 (60273025)
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Keywords | 筋知覚神経 / L6細胞 / 軸索伸長因子 / 後根神経節 / 不死化細胞株 / 再生医学 / 骨格筋 / クローニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害を受けた末梢神経,特に筋収縮情報を中枢へ伝達する筋知覚神経の再生をめざして,ラット筋芽細胞由来の知覚神経軸索伸長因子を生化学的に同定し、クローニングすることである。そこで平成15年度は以下の研究を行った. L6細胞をgrowth media (DMEM/10%FBS)でCO_2インキュベータ中で培養し、100%cf.に達した時点でinduction media (DMEM/0.5%FBS)に培地交換した。6日間培養した後、培養上清を採取した(以下、この細胞上清をL6CMと呼ぶ)。ヘパリンカラムにL6CM中の活性因子を結合させ、グラディエント溶出法によって分画を行った結果,500mM NaCl溶出フラクションに神経軸索伸長活性が認められた.凍結乾燥により濃縮を行ったあと,通常の方法によりSDS-PAGEを行い分離した.サイプロルビー染色を行い,ゲルから直接バンドを切り出し,抽出したタンパク質をプロテアーゼ処理によって断片化してMS/MS解析を行った. 活性のある500mM NaCl分画中に含まれる270KDa,68KDa,46KDa,40KDa,36KDa,35KDa,32KDa,30KDa,25KDa,15KDaの10種類のバンドのMS/MS解析の結果,Pigent epithelium-derived factor (PEDF)という黒色色素細胞に由来する成長因子が複数のバンドで検出された.おそらくタンパク質のデグラデーションによるものと思われる.ウシ由来でなくラット由来のPEDFが検出されたことで,このタンパク質がL6細胞により分泌されていることが予想された.そこで,L6細胞が本当にPEDFを発現しているかRT-PCRを行ったところ,実際にPEDFを発現していることが確認された.すでにPEDFのクローニングは終了し,次年度に向けて現在大腸菌でリコンビナントを作成中である.
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