2004 Fiscal Year Annual Research Report
2光子励起ケイジド試薬を用いたグルタミン酸受容体機能分布とカルシウム動態の可視化
Project/Area Number |
15700309
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
松崎 政紀 生理学研究所, 細胞器官研究系, 助手 (50353438)
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Keywords | 中枢神経細胞 / 神経生理学 / 超短パルスレーザー / ケイジド試薬 / グルタミン酸 / 受容体 |
Research Abstract |
これまでケイジドグルタミン酸を2光子励起法で活性化する手法により、海馬錐体細胞において、機能的AMPA受容体発現とスパイン形態に強い相関があることを見出してきた。そこで本研究において、可塑性に重要な役割を果たすNMDA受容体の機能と、スパイン形態との間の関係性を調べることを行った。実験方法としては、海馬錐体細胞にホールセルを行い、低親和性カルシウム指示薬と、細胞形態を同定するためのAlexa594をロードした。これはカルシウム指示薬によるカルシウム動態の影響を少なくするためである。細胞外液のマグネシウム濃度を減らした状態で、任意のスパイン部位に対して、2光子励起によってケイジドグルタミン酸を活性化した。その結果誘発される単一スパインにおけるNMDA受容体を介したカルシウム濃度上昇を、2光子励起顕微鏡を用いて、高速ラインスキャンを行ってイメージングした。Alxa594の蛍光に対するカルシウム指示薬の蛍光比によってカルシウム濃度変化を捉えた。この方法によって、一定刺激の条件でのスパイン内カルシウム濃度変化の絶対値を求めることができるようになった。カルシウム濃度上昇は、レーザー出力の2乗に比例し、あるところで飽和することから、スパイン頭部のNMDA受容体を2光子励起法によるグルタミン酸投与によって刺激できることを実証した。また1.5マイクロメートル以上離れたスパイン間では互いに刺激が干渉せず、個々のスパインだけの反応を得られることがわかった。NMDA受容体電流及びカルシウム濃度上昇は、AMPA受容体に比べ、ノイズが高いため、同一スパインにおいて3回刺激し、それを平均化することでCVの低い値を得ることができた。
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Research Products
(3 results)