2003 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーションによる脳機能回復にともなう神経回路再構成プロセスの解明
Project/Area Number |
15700311
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
肥後 範行 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (80357839)
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Keywords | マカクザル / 皮質内微小刺激 / 上肢 / 器用さ / イボテン酸 / 遺伝子発現 / 神経成長関連タンパク / in situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
リハビリテーションによる脳機能回復にともなう神経回路再構成プロセスを解明するために、今年度は以下の2点に関して研究の進展があった。 1.リハビリテーションが脳機能の回復を促進するメカニズムを明らかにするために、またどのようなリハビリテーション法が有効かを検証するためにも適切なモデル動物による実験系を確立することは不可欠である。本研究では上肢の運動機能回復を検証するためのモデル動物として、ヒトに近い上肢の動力学的特性や、手先の器用さを持っているマカクザル(ニホンザル)を用いた。具体的には、ニホンザルの第一次運動野において皮質内微小刺激を行い、第一次運動野の機能地図を細かく調べたのち、イボテン酸の注入により運動野の指領域に実験的脳損傷を作成した。その後運動機能の障害を受けた上肢に対して、小さな物体を小さな穴からつまみ取るというリハビリテーション課題を行わせたところ、30日のリハビリテーションで実験的脳損傷を作成する以前と同程度にまで上肢の運動機能が回復した(Higo et al.,2004)。今後本実験系を用いてリハビリテーションが上肢機能の回復に及ぼす影響が明らかになっていくと考えられる。 2.リハビリテーションが脳に及ぼす影響を組織学的に検証するための第一段階として、通常脳での神経成長関連タンパクの遺伝子発現を調べた。その結果、神経成長関連タンパクの遺伝子発現は発達期の脳全体で発現しているのに対し、成熟脳では海馬のアンモン角や小脳の顆粒細胞など限られた細胞種のみで顕著な発現が見られることを明らかにした(Higo et al.,2003,2004)。来年度は脳損傷後のリハビリテーションによる神経成長関連タンパクの遺伝子発現を調べることにより、リハビリテーションが脳のどの領域に構造的な変化を引き起こすのかを解明する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 肥後 範行: "Cell type- and region-specific expression of protein kinase C-substrate mRNAs in the cerebellum of the macaque monkey"The Journal of Comparative Neurology. 467. 135-149 (2003)
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[Publications] 肥後 範行: "Develomental changes in the distribution of MARCKS mRNA in the cerebral cortex of the macaque monkeys : molecular basis of high plasticity in the infant brain"Society for Neuroscience Abstract. 29. 459.6 (2003)
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[Publications] 肥後 範行: "Develomental changes of MARCKS mRNA in the cerebral cortex of the macaque monkeys"Neuroscience Research. 46 Suppl.1. S140 (2003)
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[Publications] 肥後 範行: "Cell type- and region-specific expression of neurogranin mRNA in the cerebral cortex of the macaque monkey"Cerebral Cortex. (In press). (2004)
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[Publications] 肥後 範行: "Rehabilitative training after brain injury induced GAP-43 mRNA expression in the monkey brain : a molecular basis of motor recovery"COE Internatinal Symposium Abstract. (In press). (2004)