2003 Fiscal Year Annual Research Report
イムノクロマト法を用いた実験動物の簡易抗体検査試薬の開発に関する研究
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15700316
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
野津 量子 (財)実験動物中央研究所, ICLASモニタリングセンター, 研究員 (60300787)
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Keywords | イムノクロマト法 / ラット / 抗IgY抗体 |
Research Abstract |
1.ラットのSendai virus (SV)抗体検出のための簡易抗体検査試薬の確立 (1)構成部材および試薬の検討 一種類の試薬でマウス、ラット、ハムスター、ウサギおよびモルモットの抗体検査を可能にするイムノクロマト法(ICG)を確立するためには、ラットの検査系確立が不可欠である。そのために下記の検討を実施した。 (1)ニトロセルロース(NC)の種類の検討、(2)ラテックスの粒子径の検討、(3)判定部位に使用するためのタンパクの検討 「方法」 NCの検討のためにImmunopore SP, FP, RP (Whatman)およびFF125,FF85,FF60 (Schleicher & Schuell)、ラテックス粒子径の検討のためにPolymer Laboratories (PL)社およびBangs Laboratories社のラテックス、そしてタンパクの検討のために抗ラットIgG (Chemicon international, Cappel, Southern Biotechnology Associates, American Qualex Antibodies)を用い、ラットのICG確立のために最適な組み合わせを検討した。 「結果」 その結果、NCはFF125が感度およが特異性に最も優れていた。次にラテックス粒子は、PL社製で粒子径が約300nmの青色ラテックスがハンドリングによるラテックス粒子の凝集が起こりにくく、且つ可視的に優れていた。そしてタンパクはCappel社の抗ラットIgGが感度および特異性に優れていた。したがって、ラットのSV抗体を検出するICGの部材の組み合わせは、NC:FF125、ラテックス:粒子径が約300nmの青色ラテックス、タンパク:Cappel社の抗ラットIgGが最適であった。 (2)上記系とラット以外の動物種との反応性 上記系にウサギ免疫血清を試したところ微弱な反応しか認められず、目視判定で十分な発色強度が得られなかった。そこで上記系と、予備試験で確立していた系を組み合わせた結果、ウサギ免疫血清およびラット免疫血清とも同一試験紙で判定することが出来、基礎的な簡易抗体検査試薬を確立する事が出来た。 2.汚染度の高い病原体に対する簡易抗体検査試薬の開発 Mouse hepatitis virus (MHV),Mycoplasma pulmonis (Mp),Clostridium piliforme (Cp)抗体検出のための簡易抗体検査試薬を確立するため下記検討を行った。 (1)抗原および各抗原に対する抗IgY抗体の作製 MHVおよびCpはそれぞれDBT細胞およびBRL 3A細胞による組織培養法で、MpはPPLO培地を用いて常法に従って作製した。作製した抗原の中からMpおよびCp抗原をニワトリに免疫し、抗IgY抗体を作製した。 (2)反応系の確立 抗IgY抗体の精度をELISA法で確認してみた。その結果非特異反応が起こり、本抗体の精度を検討することが出来なかった。非特異反応の原因を究明することが今後の課題である。
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