2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工リンパ管開発のための培養リンパ管細胞を用いた基礎実験
Project/Area Number |
15700325
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
水野 理介 信州大学, 医学部, 講師 (30273080)
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Keywords | リンパ管 / 内皮細胞 / 平滑筋 / 培養 / ATP感受性K^+チャネル / 一酸化窒素 / リンパ節 |
Research Abstract |
1.ラットから採取・培養したリンパ管内皮細胞株を確立し、その細胞生物学的検討を行った。その結果、培養内皮細胞に水選択性チャネルアクアポリン1の発現していることが確認できた。またリンパ管内皮細胞は、培養した条件で接着因子であるE-セレクチンを発現し、このE-セレクチンの発現はIL_2ならびにTNFα刺激によって増強されることが判明した。 2.培養リンパ管内皮細胞とリンパ球との接着様式を解明できる実験系を確立し、リンパ球がリンパ管内皮細胞にCa^<2+>依存性に接着することが判明した。 3.ATP感受性K^+チャネルのポアを形成するKir6.2を遺伝的に欠損するマウス(Kir6.2KOマウス)の系統を導入し、その系統の個体維持と繁殖を行った。 4.ATPは摘出ラットリンパ管の自発性ポンプ機能を一酸化窒素ならびにATP感受性K^+チャネル依存性に抑制し、この作用機序の発生にアデノシン受容体の関与していることが判明した。 5.摘出灌流リンパ管標本を用いた実験により、リンパ管の自発的ポンプ機能の発現様式にRho-Rho kinase系の関与していることが判明した。 6.摘出ラットリンパ節標本の作製方法を確立し、この標本と生体蛍光顕微鏡を併用することによって、リンパ節内のリンパに含まれる蛍光物質動態を可視化することが出来た。その結果、リンパ節内には、リンパに含まれる蛍光物質の分子量依存性の通過機構の存在することが判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 水野理介, 伊古美文隆, 大橋俊夫: "腫瘍由来リンパ管作動性物質の病態生理学的特性:一酸化窒素とATP感受性K^+チャネル"リンパ学. 26・1. 21-28 (2003)
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[Publications] 大橋俊夫, 河合佳子, 伊古美文隆, 水野理介: "リンパ管内皮の細胞生理学"血管医学. 4・6. 51-57 (2003)
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[Publications] Mizuno R, Yokoyama Y, Ono N, Ikomi F, Ohhashi T: "Establishment of rat lymphatic endothelial cell line"Microcirculation. 10・2. 127-131 (2003)
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[Publications] Hosaka K, Mizuno R, Ohhashi T: "Rho-Rho kinase pathway is involved in the regulation of myogenic tone and pump activity in isolated lymph vessels"American Journal of Physiology. 284・6. H2015-H2025 (2003)
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[Publications] Ikomi F, Mizuno R, Ohhashi T: "VEGFRs-mediated recanalization of the collecting lymphatics in murine extremities"Japanese Journal of Physiology. 53・Supl. S158 (2003)
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[Publications] Mizuno R, Ono N, Watanabe S, Ikomi F, Ohhashi T: "Effects of VEGF_<165> on lymphatic drainage of water-soluble chemical and macromolecules in mesenteric microcirculation of rats"Japanese Journal of Physiology. 53・Supl. S172 (2003)
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[Publications] Kousai A, Mizuno R, Ohhashi T: "Microcirculation Annual 2003"Asano M, Miura S, Nihon-Igakukan. 2 (2003)