2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴顕微鏡装置を用いた生体軟組織粘弾性分布の微細断層像計測法
Project/Area Number |
15700329
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菅 幹生 千葉大学, 工学部, 助教授 (00294281)
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Keywords | MR弾性顕微鏡 / 剛性率分布 / 高空間分解能 / 外部加振装置 / MREパルスシーケンス |
Research Abstract |
本研究では、磁気共鳴顕微鏡装置を用いて弾性率分布を高空間分解能に得ることができる磁気共鳴弾性画像(MRE : magnetic resonance elastography)撮影システムを開発することを目的としている。今年度は、弾性体内部に弾性波を発生させるための外部加振装置と、MR顕微鏡を制御するためのパルスシーケンスプログラムの改良を行うとともに、撮影によって得られた弾性体内部を伝わる弾性波画像から、弾性率の分布画像を生成するための解析手法を開発した。 撮影対象は弾性波の波長の数倍程度と短く、反射波や屈折波の影響を避けることが難しいため、初期位相の異なる複数の弾性波画像を用いることで振動子から深部に伝わる波の成分だけを抽出し、その波形情報から局所波長を推定することで弾性率分布を求める手順とした。 弾性率分布測定の空間分解能および定量性を確認する実験として、直径が25mmの円柱状0.9%寒天ゲルの中に、直径1.8mmと直径3mmの円柱状0.5%寒天ゲルを内包させたファントムを用いた。ファントム表面に500Hzの外部振動を加え、ファントム内部に定常波を発生させた状態で弾性波画像を収集した。撮影と外部振動のタイミングを変化させることで初期位相の異なる複数の弾性波画像を収集し、これらの波形情報から弾性率分布画像を求めた。埋め込んだ寒天の位置は、MRI画像と剛性率分布画像で良く一致した。また剛性率測定結果は0.9%寒天ゲルとその内部に埋め込んだ直径3mmの0.5%寒天ゲルにおいて、物理的測定装置で測定した剛性率測定結果と定量的に良く一致する結果が得られた.直径1.8mmの0.5%寒天ゲルの剛性率測定結果は37%ほど高い値となったが、弾性波画像の信号対ノイズ比向上により定量性が向上することが見込まれる。
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Research Products
(2 results)